多くの人が良い姿勢を身につけることができない理由

 

 

仕事や日々の生活において、良い姿勢を保つことは健康につながります。普段の姿勢が整っていると体の負担がなくなるため、疲れがたまりにくく、体調不調が少なくなるからです。

 

ただ、多くの人は良い姿勢を保とうと思っても時間がたてば崩れてしまいます。頭でわかっていてもキレイな姿勢を保つことに疲れてしまい、元の姿勢に戻して楽をしようとしてしまいます。

 

このように今の姿勢が悪いとわかっていながらも良い方向に保つことができないのには理由があります。ここでは、武道の観点から、人が良い姿勢を保つことができない理由について解説していきます。

 

形だけを整えようとしてもすぐに崩れてしまう

例えば、肩の筋肉が張っている人の場合は猫背になって肩が丸まっていて、筋肉が固くなってしまいます。すると、胸を張る姿勢をとって猫背を解消しようとします。腰が曲がっている場合は少しお尻を上げるようにして、骨盤を傾けます。

 

このように、体の一部を動かすことで姿勢は改善されると思います。ただ、このように形を改善しても、根本的な姿勢は直りにくいです。むしろ余計体の中に力みが生じて、疲れやすくなってしまいます。

 

それは、悪い姿勢の人は力を使って良い姿勢を保とうとするからです。良い姿勢を保つのに力や意識を使ってしまうと、かえって力みが生じてしまいます。すると、元の楽な姿勢に戻ろうとしてしまうのです。

 

あなたが猫背の場合、背筋を伸ばして良い姿勢を構築しようとしてください。すると、背中の筋肉が疲れてしまうことがわかります。ほとんどの人はどこか一部の筋肉に力を入れて良い姿勢を作ろうとします。しかし、筋肉は一度力を入れてしまうと、後で必ずゆるみます。そのため、姿勢は改善されません。

 

世の中の姿勢改善法の欠陥とは

身体の筋肉は、「筋瞬発力」と「筋持久力」の二種類の力を持ち合わせています。「筋持久力」は筋力として発揮し続ける力であり、どのような筋肉も、30〜40秒程度です。つまり、筋力を使って、姿勢を正すことは、本質的に姿勢改善にはつながりません。

 

そして、世の中の姿勢改善法は、どこか力を入れて正した手法ばかりです。後ろに倒れている骨盤を正そうと筋トレをしたり、ストレッチをしたりなどです。しかし、体の仕組みに基づいて段階的に良い姿勢を構築する手法が存在しません。このように、一部分の筋肉を使って、形だけ良い姿勢を構築したとしても普段の姿勢は直せないといえます。

 

ある書籍には「姿勢を直すにはお尻の筋肉をゆるめるべきだ」と話するかもしれません。また、「胸を張って、背筋を張った姿勢が良い姿勢」と考えるかもしれません。しかし、このようにお尻や胸、背筋と部分的に改善し、形だけ良い姿勢に整えようとしても改善できません。そのため、体の仕組みに基づき、良い姿勢を構築するために必要なことを意識するようにしましょう。

 

本質的に良い姿勢を構築するには

では、姿勢がキレイと言われている人がなぜキレイな形を保てているでしょうか?理由はその姿勢を支えるために活用している筋肉の負担が少ないからです。

 

姿勢がキレイと言われている人は、見た目キレイな姿勢であり、かつ上半身の力みが抜けています。つまり、最も体の力が抜けていて、結果的にキレイに見える姿勢を構築しています。これは、身体の仕組みに基づいて、使うべき筋肉は使い、使わない筋肉を休ませています。

 

武道の世界では、剣を振ったり相手の間合いに入るさいに、身のこなしを最大限に高めるための「姿勢」を会得します。その際には、首の後ろ、背中、脇回りの筋肉を活用し、骨格に負担なく立ちます。すると、肩や胸、腹部などに筋肉に余計な力みのなく背筋を真っ直ぐ正すことができます。

 

ポイントは「後ろ側の筋肉」を活用することです。少しアゴを引くと首の後ろの筋肉が伸びます。横隔膜を引くように、みぞおちを引くと背中の筋肉が伸びます。このように、後ろの筋肉を意識して使うことで立つときに働かせる筋肉を最大限に減らします。

 

世間では、姿勢がキレイといわれている人でも肩こりや腰痛に悩まされている人がいます。バレェの方やダンサーの方であっても、腰痛に困っている人はいます。その理由は、良い姿勢を筋力で整えようとしているからです。無理につくった姿勢は体のどこかに不調が生じてしまいます。

 

良い姿勢は別の筋肉を使って、結果的にキレイに見せるようにする

私は武道を始める前は、首が縮んだ姿勢でした。しかし、武道を稽古し、首を伸ばして肩を落とす姿勢をとるようになってから、その姿勢の方が楽だということを何度も体感しました。

 

それ以来、普段の生活でも首を伸ばすように座ったり立ったりする癖がついています。首がちぢむと肩から胸にかけて重くなる感覚が出るため、無意識に伸びようという意識が働きます。

 

友人からは姿勢がキレイだとか背中が真っ直ぐ伸びているともいわれます。しかし、自分から「姿勢をキレイにしよう」「背中を真っ直ぐに伸ばそう」と考えたことはありません。普段の姿勢が自然とそのようになっているときが多いという解釈の方が正しいです。

 

良い姿勢は作って出来上がるものではありません。まずは、「首を伸ばす」「みぞおちを引く」といったように、背中以外の筋肉を使うようにします。それによって、自然と見た目もキレイで出来上がっていきます。

 

あなたが見た目悪い姿勢になっていたとします。その姿勢を形だけ保とうとしてもかえって筋肉が力むだけです。すると、余計疲れがたまりやすくなる可能性もあります。

 

そして、姿勢改善のためのあらゆる知識は世の中にたくさんあります。例えば、「骨盤を立てましょう」「頭を後ろに下げるようにしましょう」「目線を高くしましょう」「胸は開いた姿勢にしましょう」といったものです。

 

しかし、こういった見た目のキレイさにとらわれず、まずは上半身全体の筋肉をとることから始めましょう。「背筋が伸びた形」「骨盤が立った形」を覚えるのも大切ですが、まず「上半身がリラックスした状態」を肌で感じることが大切です。

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