仕事や運動を続けていると、知らず知らずに無理な姿勢や体の使い方をしてしまい、骨格の歪みが生じやすくなります。そのため、怪我や体の不調に悩まされてしまうことがあります。その中で、膝の痛みに悩まされることがあります。
ただ、膝の痛みといっても、ただ症状の原因や解消法だけ学んだだけでは、膝の痛みを解消することはありません。そこで、関節や筋肉の場所を覚えただけでなく、実際に動かしたり凝りをほぐすことで痛み解消の道は見えていきます。
他の関節や筋肉に目を向けると、見える世界が変わる
膝の痛みの原因となる症状は数多くあります。内側の痛みが生じる症状として「鵞足炎」、膝の関節周りの負担が多すぎることで起こる「半月板損傷」、成長期の子供に起こりやすい障害として「オスグット・シュラテル症」、膝の靭帯が損傷する「スポーツ障害」などがあります。
ただ、このような症状を抱えたとして、痛みを解消するためには、膝だけに目を向けるのは考えないようにしましょう。それよりも、足首、太もも、お尻といった足全体を見るようにします。
なぜなら、膝関節に負担がかかる原因は膝自体ではなく、他の関節の歪みや不正によって、生じることもあるからです。
例えば、膝関節の内側に痛みが生じたとします。一つの原因として、膝の内側周りにある「縫工筋・薄筋・半腱様筋」の痛みが考えられます。膝の内側にある三つの筋肉や腱が骨に擦るように当たってしまうため、痛みを感じてしまいます。
ただ、そうであれば、大切なことは膝関節の内側が当たってしまう原因を考える必要があります。すると、「太ももの骨が内に入りすぎている」ことが考えられます。つまり、膝の内側の痛みを解消するためには、内に入りすぎた太ももを正す必要があります。
そこで、「お尻」「足首」「足指」といった部位に目を向けることで膝の内側に負担のかからない骨格の状態を形成することができます。こうした他の部位に目を向けることで
例えば、お尻の筋肉は太ももを外旋する(外に開く)筋肉です。この筋肉を鍛えることにより、内に向いた太ももの骨が元に位置に正され、膝関節の負担を軽減できます。
次に、足指に目を向けます。足指の間に指を入れ、間を広げるようにします。すると、足裏にある「足底筋」の緊張が取れて、足の甲を少し上げることができます。これによって、足裏において内くるぶし辺りに体重が乗りやすくなり、膝周りにある筋肉の力みを軽減できます。
膝関節に痛みや症状を抱えると、膝自体に原因があるように思います。しかし、実際には膝関節にかかる負担や筋肉の力みは他の部分存在します。膝以外の部位に目を向け、積極的に改善に必要な体操や施術を行うことで、より確実に膝関節を直すことができます。
お尻、足指は特に目を向けてください
膝関節の痛みを伴う原因は他にもあります。例えば、食事による障害があります。膝関節を動く際に関わる内包液が食事によって質が低下している可能性があります。
ただ、大部分の方は膝関節の痛みは「お尻」「足指」から起こっていると考えるようにしましょう。これらの筋肉は、仕事中のサラリーマンや主婦が得に固くなりやすい部位です。膝の筋肉を傷めた場合、もしくは痛めやすい場合はまずこれらの部位に注目するようにします。
お尻を締める筋肉は、普段の生活で座り姿勢が多くなることで、血行不良を起こして筋肉の柔軟性が低下します。次に足指は、草履やサンダルではなく、靴を履き続けることで、足指を動かす意識が薄れてしまいます。こうした生活習慣から、現代人はお尻と足指の筋肉が硬くなりやすいといえます。
お尻の筋肉が硬くなると、太ももを外旋させる力が低下するため、太ももの骨が内側に向きやすくなります。さらに、足が動かしにくく、硬くなってしまったら、足裏に重心が乗らなくなってしまうため、膝関節の負担が大きくなります。こうしたマイナス要素を取り去るために、お尻と足指の筋肉をほぐすようにしましょう。
お尻の筋肉をほぐす手法としては、低反発のボールを使って簡単に行うことができます。まず、横向きに寝た後に、ボールを用意します。次に、そのボールをお尻辺りに当てて押し当てます。特に、腰骨周り、股関節のへこみ
部辺りに当てると「痛気持ちいい」刺激があります。この部位をボールで押してあげることでお尻周りの筋肉がほぐされます。
次に足指に関しては、指自体をあらゆる方向に動かすことが重要です。例えば、足指の間に指を入れて、指を動かせば、足指の側面をストレッチすることができます。あるいは、足指を握ったり開いたりして、大きく動かすようにしましょう。これによって、足指の筋肉が使われ、ほぐすことができます。
ちなみに、当サイトのセミナーでは、これらの部位をほぐし、受講者の膝関節の痛み解消につなげています。さらに、これらの部位をほぐす手法を身につけ、毎日の膝のケアに活かしていくことが大切です。
膝の痛みに伴う傷害には、様々なものがありますが、その中でもお尻や足指の筋肉は、先に目を向けるようにしてください。そして、これらの筋肉を毎日ほぐして行くことで、膝が痛くなりにくい姿勢や生活習慣を身につけることができます。