最高の栄養素である「ケトン体」を理解する

ダイエット、健康体の構築のために、適切な栄養素を選択することは大切です。日々、運動したり仕事をするのにも、エネルギーが必要であり、それらも食事から取り込まれた栄養素から来ます。日々、健康な体で居続けるためには、エネルギーのための栄養素が重要です。

ダイエットする上では、小麦グルテンをやめる、糖質も避ける、というように摂取しない食品を選ばないといけません。食品の中には、食べることで、内臓に大きな負担がかかる食品があります。まず、こうした食品を減らしていきます。

次に、摂取するべき食品を制限したら、その中で、ケトン体を摂取することは大切です。ダイエットを志している人であれば、エネルギー生産量の多いケトン体を摂取するようにしましょう。ケトン体には、あらゆる利点を持っています。

ケトン体とは

ケトン体とは、具体的には、アセト酢酸、3-ヒドロキシ酪酸(βーヒドロキシ酪酸)、アセトンを総称した物質です。

人の体はエネルギー源として、糖質が使われます。ただ、糖尿病や飢餓時になり、糖質利用ができなくなった場合、糖質ではなく「ケトン体」を利用するようになります。なぜなら、飢餓時では、糖が不足し、エネルギーとして生産されなくなるからです。

糖質が使えなくなり、ケトン体の合成が促進されるのには、「脳」と関係しています。脳は主に糖質をエネルギーとして使っています。しかし、糖質が利用できない場合、他の方法でエネルギーを生産しないといけません。その際に、糖質の代わりとなるエネルギー源がケトン体です

ケトン体がエネルギーに変わるまで

まず、ケトン体を生成する過程を理解するために、脂肪酸が分解される反応を理解する必要があります。まず、脂質を体外から取り込みます。この脂質は3つの脂肪酸とグリセロールと呼ばれる物質がくっついてできたものであり、3つの脂肪酸を分解することで発生させます。

次に、脂肪酸が他の臓器に送られてエネルギー源として活用するために、分解反応を起こします。この反応をβ酸化といいます。このβ酸化によって、アセチルCoAと呼ばれる物質が生成できます。

体内の糖質は、肝臓で代謝反応(体内に必要な物質に変換する作業)によってアセチルCoAという物質に変換されます。ただ、アセチルCoAの形では、血液中を介し、他の臓器に届けることができません。そこで、ケトン体に変換する必要があります。

ケトン体は水溶性の物質であり、全身に送り届けることができます。

脂肪酸からアセチルCoAが生成され、ケトン体(アセトン、アセト酢酸、βーヒドロキシ酪)が血中へ移行し、他の臓器でエネルギーとして利用できます。ケトン体へ合成し、脳の関門を通過し、臓器に移ったら、再度アセチルCoAに変換されます。

アセチルCoAは、後にTCA回路(クエン酸回路)と呼ばれる生体でエネルギー生産を行う反応で使われます。これによって、脂質がエネルギー糖の場合、「糖新生」と呼ばれる生体内の反応によって、最終的にアセチルCoAに変換されます。

つまり、ケトン体を多く取り込むためには、「脂質」を摂取することです。例えば、卵、肉、バターなどが、脂質を多く含んだ食べ物です。今後、ダイエットの実現と健康体

脂質が糖質よりエネルギー源として優れている理由

脂質が糖質より優れている理由は、「エネルギー生産量」が高いことです。

まず、糖質は1g当たりに4kcalの熱量を発生させます。一方、脂質は9kcalの熱量が生産されます。ケトン体の元となる脂質は糖質より、熱量が高いです。これにより、仕事やスポーツを行う上での体力が向上します。

フルマラソンの世界では、30分以上走り続けると、身体が楽になり、走りやすくなる期間があります。これを「ランナーズハイ」といいます。これは、走って30分程度経つと、エネルギー源として使われていた糖質が枯渇し、脂質が使われるからです。スポーツ選手であれば、脂質中心の食生活に変えることで、スタミナや運動パフォーマンス向上につながります。

実際に、私は食生活を変えたことで、フルマラソンとトライアスロンの記録が大きく向上しました。さらに、個別で教えている社会人にエネルギー源を脂質に変えたことで仕事での体力や集中力が向上したと報告をいただきました。

脂質の他の重要な役割

多くの方は、脂質を摂取すると体内に貯まるのでは?と考えるのかもしれません。ただ、実際に脂質は体内で多くの重要な役割を持っています。

まず、人が外的からストレスを受けたとき、ストレス耐性のホルモンを生産しなければいけません。ストレス耐性ホルモンは具体的に「カテコラミン」「鉱質コルチコイド」などです。女性の場合であれば、疲労物質の除去には女性ホルモンが必要です。

こうした、ストレスに打ち勝つホルモンの材料はコレステロールからなります。そして、脂質はコレステロールの材料となります。なぜなら、脂質で変換されてできたアセチルーCoAはコレステロールの原料となる物質を作る反応物となるからです。さらに、コレステロールの原料の合成を促進する酵素は高脂肪食の際に酵素活性が上昇することもわかっています。

つまり、脂質を積極的に摂取するために、ストレスや疲労に打ち勝つための材料として働きます。

さらに、コレステロールは、血管の組織、各生体の細胞膜の組織の材料として使われます。健康情報では、「コレステロールは血管にたまり、生活習慣病の元となる」という情報が存在しています。しかし、生活習慣病の本質的原因は各内臓器官の疲弊により、適切なタンパク質が作れなくなったことの方が大きく寄与しています。そのため、各細胞の材料となるコレステロールの摂取は必須となります。

本来、コレステロールの生産は肝臓が行ってくれます。しかし、肝臓は「化学物質の解毒作業」「身体に必要なタンパク質の合成」「糖質からグリコーゲンの変換作業」「活性酸素の除去」など、他の仕事も持っています。もし、こうした作業に合わせて、コレステロールの生産作業も肝臓に負わせると、肝臓が疲弊し、機能が低下します。

そのため、肝臓のコレステロールの生産分を補うために、積極的に食べるようにしましょう。脂質を摂取することで、肝臓の負担を軽減するために必要な材料です。つまり、生体内で適切な材料を合成し、栄養状態を整えるためには、脂質を積極的に摂取する必要があります。

常識を捨て去ってください

ただ、多くの人はこのような事実を知ったとしても、「でも脂質は体に良くないのでは」と考えます。栄養学の書籍を見ると、脂質は過剰に摂取すると、症状に見舞われてしまうため、適度な摂取は良いが、多量に取りすぎてはいけないといわれます。

それに比べ、糖質に関しては、神話を含め、重要な話がされています。例えば、ご飯の言い伝えに「米には7人の神がやどる」ともいわれます。さらに、栄養学には「糖質は生命に必要なエネルギー」と表現され、スポーツの世界では、「炭水化物は優れたエネルギー源」と説明されます。

こうした一つ一つの説明は間違ってはいけません。しかし、糖質も取る量が他の栄養素より、多くなると脾臓、肝臓、腎臓といった人体の健康維持に必要な内臓器官を疲弊させ、機能できなくなると理解してください。つまり、上記に述べた糖質の利点は全ての内臓が最大限機能した上での話です。しかし、脂質やたんぱく質と比べて、摂取しすぎると、人体に悪影響を及ぼします。

例えば、糖質はエネルギーとして使われなければ、中性脂肪に変換されて体内に残ります。中性脂肪は一定期間たつと、腐敗ガスを発生させ、各内臓器官を疲弊させます。

世界で長寿であり、生活習慣病の少ない民族や国の食生活を観察したところ、炭水化物の摂取量がたんぱく、脂質に比べて非常に少ないこともわかっています。このような事実から、脂質を積極的に摂取することは、健康に必要不可欠です。さらに、スポーツ選手であれば、自分のスタミナ向上、パフォーマンス向上のために積極的に摂取してください。

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