出張、遠征、自宅に帰省するときに、新幹線や夜行バスを使用することはよくあります。これら二つに共通していることが「長時間座り続ける」ことにあります。長時間座り続けると、人によっては腰が痛くなり、目的地に到着するころには体が極度のダルさを伴う可能性があります。
ただ、いくつか対策方法があり、座るときの姿勢を変えることで、負担を軽減し、楽にすることができます。ここでは、長時間座り続けるときに腰に負担をかけない方法について解説していきます。
新幹線やバスで、腰の痛みをなくすには
私自身、地方のマラソン大会や弓道場に行くために、夜行バスを頻繁に使います。しかし、寝るときの少しの工夫で、到着後に腰や肩のだるさを軽減することができます。それは、以下の二つを行います。
・なるべく背中、首を背もたれにつけるようにする
・マスクをつけ、首枕をつける
上記した内容を行うことで、新幹線やバスにおける腰の痛みは軽減できます。実際に、私も夜行バスは使う機会が多いですが、二つの内容を実践することで、かなり体の痛みは軽減できています。
では、なぜ身体の軽減につながるかについて解説していきます。
なるべく、背中と首を背もたれにつけるようにする
まず、新幹線やバスに乗ったら、少し背もたれを倒してください。なるべく大きく倒せるほうが、身体の負担は少なくなります。次に、背もたれに首の後ろと背中をなるべくつけるようにしてください。
このときは、腰を少し丸めるようにします。もし、腰を反らせてしまうと、上体の重みが腰椎(ようつい:腰の骨)にかかりすぎます。赤ちゃんがお母さんの腹の中で丸まって過ごすように、腰は丸めるようにします。
このときに、両肩を意識的に落とすようにします。すると、胸周りの筋肉がゆるんで、胸を縮めることができます。胸郭を背もたれに近づけるイメージで胸をへこましましょう。最終的に、首が伸びきって後頭部の上部にある骨と、胸をへこませて肩甲骨周りが背もたれにぴたっとつくとよいです。
新幹線やバスで腰を痛めてしまう人の原因として、座っている姿勢で腰が反りすぎていることが挙げられます。腰を反らしたほうが、太ももと床の接触面積が大きくなる分、お尻が痛くなりずらいです。しかし、長時間座っていると、腰が痛くなるため、なるべく腰を丸めるようにしてください。
少し腰を丸めると、アゴを引きやすくなり、首の後ろを伸ばしやすくなります。ここで背もたれをなるべくつけるようにします。この姿勢で座り続けることができれば、腰の負担は大きく軽減できます。
なお、お尻が痛くなってしまった場合に備えて、クッションを用意するとなおよいです。ない場合はタオルを重ねてしいておくだけでも、負担は少なくなります。クッションもフカフカすぎず、適度に圧力を減らすだけにするようにします。
首がまっすぐに伸びると、呼吸量が増える
このように、背中と首を背もたれに深くつける理由として、「アゴを引くと呼吸がしやすくなる」ことが挙げられます。
寝ているときの頭部の位置は、呼吸できるかどうかにかかわる大切なことです。人は寝る大勢に入るとき、アゴがあがってしまうと、呼吸しずらくなります。呼吸しずらくなってしまい、いびきが出てしまう欠点として、枕が低すぎて頭が下がり、顎が上がってしまうことが挙げられます。
もし、背もたれに傾けるときに、背中と密着していなければ、顎が上がって後頭部のついた姿勢になります。すると、呼吸がしずらくなり、身体の痛みを患いやすくなります。
腰痛の原因として挙げられる「酸素不足」
乗り物で起こる腰痛を含め、腰の痛みの大きな原因は「酸素不足」が挙げられます。
血液内の酸素は、細胞内に取り込まれ、ミトコンドリアによってエネルギーに変換されます。このエネルギーは筋肉を伸ばしたり縮めたりする際に活用されます。しかし、腰や肩に通る血管が、姿勢不良や無駄な力みが起こると、詰まりが生じます。すると、筋肉が酸欠状態に陥ります。
これによって、身体の痛みが起こります。特に、新幹線やバスといった密室の空間は酸素不足になりやすい環境です。そのため、酸素不足に陥らないように顎が上がりすぎない姿勢をとるようにしてください。
首枕を使う
そして、人によっては、頭部の位置が低すぎて顎が上がってしまう場合があります。その場合は、首枕を使って頭部の高さを調節するようにしてください。少し、頭部を高くすることで顎を引きやすくなり、体内に酸素が取り込みやすい姿勢に整えることができます。
さらに、首枕を使うことで首が左右に傾くのを防ぐことができます。よくバスに乗っていると揺れによって首を寝違えてしまうことがあります。しかし、首枕を使うことで、頭部が支えられ、左右の揺れを防ぐことができます。
睡眠環境をよくする工夫
さらに、新幹線や夜行バスを快適に過ごすためには睡眠環境をしっかり整えることも大切です。寝るときは目隠しをつけて寝るようにしましょう。「目」は目をつむっていても光を感じ取るセンサーがあり、それによって目が覚めてしまいます。目隠しをすることでこれらのセンサーを完全に休ませます。
次に、自分の手元にあるテーブルやスペースに加湿できる物を持つことが大切です。新幹線や夜行バス内は空気が乾燥しているため、寝苦しくて姿勢が変わってしまう可能性があります。
そのため、加湿器を使用します。オススメなのが、東急ハンズなどで売られている「ちょこっとオアシス」です。事前にお持ちして、出発前にトイレで水を入れておくことで簡単に加湿できます。寝心地がよくなり、眠りにつきやすくなります。
新幹線や夜行バスなど、長時間座り続けるときには、背もたれをなるべく倒して、深く座って首を伸ばすようにしましょう。上半身の力を抜くことができ、腰に負担がかかりにくくなります。