小指を意識すると、あらゆる日常動作に良い影響を与える

普段の生活で「手を使う作業」は非常に多いです。物を握るとき、書くとき、あらゆる場面で手は使われます。このとき、手に力が入っていたり、無駄な動きがあったりすると腕に力みが入ってしまいます。すると、生活において、あらゆる障壁が生まれます。

例えば、日常生活で姿勢が悪いことに悩んでいる人は多いです。普段の仕事で猫背であると、肩や腰がだるくなって疲れるからです。健康のために、生活での姿勢を改善することは大切です。

ただ、普段の姿勢は背中だけ直そうとしてもなかなか改善されません。買い物で歩いているとき、パソコンで作業しているときは、手や足も動いています。そのため、手の動きを改善することで、普段の姿勢が変わり、体の不調をなくすことができます。

ここでは、武道の指の使い方から、日常生活で手を使う動作を円滑にすすめる方法を解説していきます。

小指を意識して手を使う動作をしてみる

普段、私たちが生活しているときは、親指と人差し指を使いがちです。その理由は、5つの指の中で力を入れやすいからです。そのため、この指に力を入れて物を握ったり手先の操作をします。

ただ、武道の観点からいうと、人差し指と親指を使うことによるデメリットが存在します。それは、力が入ってしまうということです。

そこで、あらゆる武道では「小指・薬指」を多用することが重要視されます。なぜなら、この指を使うことで、あらゆる動作を行うことが楽になり、力を抜くことができるからです。

小指を活用することで、裏側の筋肉を活用できる

小指、薬指は身体を使う際に重要な意味を占めています。まず大切なことは「裏側の筋肉」が働くことです。

試しに次のことを試してみてください。左右どちらの小指で良いので握ったりはなしたりします。次に、もう片方の手で腕の裏側に触れてみます。この状態で小指を握ったりはなしたりすると、一緒に腕の裏側の筋肉が動くことがわかります。このように、小指を握ることで腕の裏側の筋肉が働きます。

感がよい人は、脇下、腰回りの筋肉も働くことがわかります。つまり、小指を握ることで、指だけでなく胴体部の筋肉も一緒に活動するようになります。これによって、動作中に働く筋力や敏捷性が向上します。

さらに、上記した筋肉は解剖学的に「関節を安定化させる筋肉」に当たります。腕の裏側や脇下の筋肉が働くと、肩関節のあそび(動く範囲)が少なくなります。これによって、関節のブレが少なくなり、衝撃やストレスがかかったとしても、姿勢がぶれにくくなります。

武道の世界で動作を行うときは「小指」の使い方を重要とされています。弓を握るとき、剣を持つとき、腕を動かすとき、あらゆるときに小指を多用すると無駄な力みが抜けて、動作を円滑に行うことができます。

小指を活用する例

小指を活用することで、楽にものを持ったり歩いたりすることができます。以下にその具体的な事例を解説していきます。

コップを持つとき

例えば、コップをつかんで持ち上げたとします。もし、人差し指と親指の二本ではさんで持ったとします。すると、どんなに軽い容器でも肩回りに少し違和感や詰まりが出てしまいます。

そこで、人差し指や親指ではさみこんで小指を伸ばして底を支えるようにしましょう。すると、力を入れなくてもコップを持つことができます。このように、小指を入れるだけで、力が抜けて安定して物を持つことができます。

何かものを取り出すとき

例えば、テーブルの上にある物を腕を前に伸ばして取るとします。もし、人差し指と親指からとろうとすると肩が前に出ます。すると、上体が崩れてしまいます。そのため、腕が思う以上に伸びません。

そこで、小指を意識して腕を伸ばすようにします。すると、先ほどに比べて、腕が伸ばしやすく、距離も伸びることがわかります。これは、小指を意識することで、腕の裏側の筋肉が活用され、腕がよく伸びるからです。

人はある筋肉を意識することで、その筋肉の活動量が高まることがわかっています。これは、スポーツ科学では「意識性の原理」と呼ばれます。小指を握ることで、腕の裏側の筋肉が強く意識され、腕を伸ばす力が強くなります。

本を読むとき

例えば、本を読むときも、親指と人差し指で本を持って読むことが多いです。この状態だと、上体が前屈みになって、眼が疲れやすくなります。

ここで、小指を本の下側につけて、本を立てるように読んでみましょう。すると、自然と頭、背中の位置が真っ直ぐになり、姿勢がよくなります。少し小指を握ると肩関節が安定し、前屈みになりずらくなります。小指を自分の体に向けると、姿勢が真っ直ぐになるように人の体は自然と動きます。

歩くとき

歩くときも同様に小指を意識するようにします。まず、何も考えずに手もブラブラにさせて歩きます。次に、歩いているときに小指を締めて歩くと体の左右のブレが少なくなります。

歩くとき、すぐに疲れやすい方の例として、「肩がぶれる」ことが挙げられます。なぜなら、肩がぶれると、上半身がねじれてしまうからです。上体がねじれていると、踏み込んだ後に下半身の力が上半身に伝わらず、重心移動がうまく行われなくなります。

そこで、小指を締めて脇下から腕の裏側の筋肉を活用します。これによって、少し違う筋肉を働かせることで、あらゆる動作に変化が生まれます。

キーボードをたたくとき

キーボードをたたくとき、人差し指と親指の筋肉を使うと、肩や腕の筋肉に力が入ります。そこで、少し小指を締めてキーボードを操作してみてください。すると、少し小指を意識してみるだけで、姿勢がまっすぐに正しやすくなったり、肩の力が抜きやすくなります。

武道を行なっていない人の場合、小指を握ることで、剣の操作がしやすくなったり、弓が格段に引きやすくなったりした体験をしないため、小指の重要性を感じることができません。その場合は、意識的に小指を握って動作を行うようにしましょう。

日常生活において、手を使う作業は非常に多いです。無駄な動きがあったりすると腕に力みが入ってしまいます。そこで、普段の生活で小指を意識的に使うようにすることで、手を使う動作をスムーズに行うことができます。

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