社会人であれば、仕事中に肩や腰がだるくなってしまうことはよくあります。肩凝りは現代、多くの人がかかりやすい慢性病ともいわれており、体の仕組みを学んで対策を行う必要があります。
仕事中に肩凝りを患っている人の中で「腕や掌がしびれる」とお話される方もいます。実は、肩凝りに悩まされている人は、腕や掌にも悪い症状を持つ可能性があります。普段の仕事でパソコンをよく使われる方は発症する危険があるため、対処法を学ぶ必要があります。
では、肩凝りを患ってしまうと、なぜ掌や腕にも影響が出てしまうのでしょうか?今回はその原因と対策について解説していきます。
肩こりによって腕がしびれる理由
肩凝りを患うことで、肩回りの筋肉の血流低下が起こります。これによって、血液中に栄養分が送れなくなったり、老廃物が除去できなくなってしまいます。そのため、痛み物質を発して、「痛い」と感じてしまいます。
ただ、肩凝りによって起こる障害はこれだけではありません。肩周辺の筋肉が固くなってしまうことで、腕を動かすための神経を圧迫してしまう危険があります。これによって、腕や掌のしびれを生じてしまいます。
人の胸から肩にかけては「小胸筋」と呼ばれる筋肉があります。この筋肉は収縮することで、腕の関節を内旋させることができます。ただ、肩凝りに悩まされている人はこの小胸筋が凝り固まった状態になっています。
そして、小胸筋の周辺には、腕に通じる主要な血管や神経が通っています。これらの神経は、小胸筋が固くなることで、圧迫や干渉が生じてしまいます。もし、小胸筋周りの神経が圧迫されると、末端である腕や手に脳からの指令や信号が行きづらくなってしまいます。
すると、手が動かしにくくなり、しびれが生じます。あるいは、血管が圧迫されることによって、末端部の血流が低下することで、冷え性を患います。このように、肩凝りになり、小胸筋を固めてしまうことで、腕や掌のしびれが生じてしまいます。
コブラのポーズ」を取ります。首と胸を後ろに反りかえらせることで、胸の筋肉の柔軟性を高めることができます。
次に、小胸筋周りの筋肉を緩めるように指圧をしましょう。まずは、自分の鎖骨を自分でさわってください。自分で鎖骨を触ったなら、鎖骨を挟んだ上下のくぼみ、さらに小胸筋(腕の付け根)を指圧してあげてください。小胸筋が硬い人は、この部位を指圧すると、痛くて気持ち良い刺激を得られます。以上の体操と指圧をしてあげることで、小胸筋の凝りを取り去ることができます。