肩甲骨周りの筋肉を動かしても肩凝りは解消されない

あなたは「あぁ……肩が重い」「肩がだるくて仕事に集中できない」と困っていませんか?デスクワークで仕事をしている方は、肩のだるさに悩んでいる方が多くいます。PCやスマートフォンの画面の見すぎで、猫背姿勢になってしまいます。

肩こりの状態をほおっておくと、あらゆる症状に悩まされます。世の中にはあらゆる肩こりを直す手法が紹介されています。その中で多いのが、「肩甲骨周辺の筋肉の凝り」を取り去ることです。

確かに、肩甲骨周辺の動きを良くすれば、肩回りの筋肉の血行が良くなり、肩凝りが改善されるかもしれません。しかし、体の仕組みや姿勢を詳しく考えなければ、肩甲骨周りの体操をいくら行っても肩凝りが解消されないことがあります。

それでは、なぜ肩甲骨周りの筋肉を動かしても、肩凝りが解消されないでしょうか?これについて今回は詳しく述べていきます。

肩甲骨周辺の筋肉を活用すると良い理由

肩甲骨周辺を動かすことによるメリットは存在します。その中で有名なのが「体温を上げる」ことが期待されることです。

肩甲骨周辺には、「褐色脂肪細胞」と呼ばれる細胞が多く存在しています。この細胞には、発熱機能を持っており、体温を調節するために活用される細胞です。肩甲骨周りを動かすことで、褐色脂肪細胞が働き、体温を上げることができます。

これによって、結果として肩甲骨周りの血流が促進されることが期待できます。血流が促進されると、血管内の詰まりや滞りがなくなるため、筋肉の凝りが解消されます。これが、肩甲骨周りを動かすことで、肩凝りの解消につながる理由です。
 

肩甲骨周辺の筋肉の動きやすさは頭部の位置で来まる

ただ、こうした内容で肩甲骨を動かしたとしても、肩こりを永続的に解消するのは困難です。その理由は、肩甲骨の動かしやすさは、肩甲骨の筋肉ではなく、「頭部」の位置によって決まるからです。

肩甲骨には、6つの動き方があると言われています。

・挙上(上に上がる)
・下制(下に下がる)
・内転(内側に寄せる)
・外転(外側に開く)
・内旋(下部が開くようにする)
・外旋(下部が締まるようにする)

人の姿勢は上記に述べた肩甲骨の6種類の動きがしやすい状態が身体に負担のない適した姿勢がとれていると言えます。それは、肩甲骨周りの筋肉にどこにも凝りのない状態を表しています。永続的に肩の痛みを解消したいのであれば、この姿勢をとれるようにする必要があります。

そのため、肩甲骨周りの筋肉を動かして、本質的に肩凝りは解消されることはありません。なぜなら、肩甲骨周りの筋肉を動かすことで肩の凝りを取ることはできますが、頭部の位置が変わらないからです。

実際に、私が肩凝りの方を指導するときも、肩甲骨の動かし方以外に、「理想の頭部の位置」と股関節など、それ以外の部位の筋肉の使い方を解説します。すると、長年悩まされていた肩凝りや冷え性を自身で改善した方がいます。このような事実から、単に肩甲骨周りを回すだけでは、肩凝りは治せないと体感したのです。

頭部の位置を変えることで、肩甲骨が動かしやすくすることは可能です。しかし、肩甲骨を動かしやすくなることで頭部の位置が自然と変わることはありません。つまり、本質的に肩凝りを解消するためには、肩以外の部位に目を向ける必要があるのです。

適切な頭部の位置を理解する

それでは、適切な頭部の位置関係をここで理解しておきましょう。ポイントは上部と下部です。二つの部位に注目することで肩甲骨周りが動かしやすい頭部の位置が決定されます。

頭部は上部と下部を両方引きます。すると、首の後ろ(項)の筋肉が伸びることがわかります。この筋肉が伸ばされるように頭部を引いてください。これによって、肩甲骨周りが動かしやすい頭部の位置が決定されます。

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