筋肉が疲労する本質的原因と対処法

ダイエットやカラダ作りを行うために、筋トレを行う必要があります。筋トレや運動を行うと、筋肉が張ってだるい感覚に陥ります。継続的に、筋肉を強化するためには、必ず筋肉が疲労する仕組みと、対策方法について理解しなければいけません。

 

よく、筋肉がつかれたときは、「乳酸がたまって疲れが出た」といわれます。世間では、乳酸がたまることで、筋肉がしんどくなると考えられています。しかし、こうした常識は本当に当てはまっているでしょうか?

 

疲労に関する研究を行うと、筋肉の疲れを起こす物質は乳酸ではないことがわかっています。そして、こうした疲労にかかわる物質は少しの運動の工夫によって減らすことも可能です。こうした内容を知っておくことで、身体に必要な筋肉を継続的に無理なく鍛えることができます。

 

そこで、今回は筋トレの際に、筋肉の疲労の本質的原因とその対策法について解説していきます。

 

乳酸は疲労物質ではない

まず、筋肉と疲れに関して話をするとき、「乳酸」の存在について切っても切れません。なぜなら、多くの人は、筋肉の疲労の原因は乳酸と思いこんでいるからです。

 

運動をすると、乳酸が発生するのは事実としてあります。そして、体内が酸性物質が多くなると、酸性状態(アシドーシス)を引き起こし、だるさや不調が出るのもわかっています。このことから、乳酸は筋肉の疲労に関係していると説明されてきました。

 

しかし、研究が進むにつれて「乳酸は疲労物質ではない」ことがわかっています。まずは、なぜ乳酸が疲労物質ではないかについて解説していきます。

 

乳酸を入れても疲労感が出ない

乳酸が疲労と関係していると最初に考えたのは、イギリスのノーベル賞受賞学者であるアーチボルドビビアン・ヒルでした。彼は研究者と1929年に、「運動によって体内に乳酸が作られ、蓄積したデータ」を提示しました。そして、乳酸の蓄積によって疲労が生じるという理論を発表しました。

 

当時、この理論は疑われることなく、「乳酸は疲労と関係がある」と解釈され続けました。しかし、その後、実験が続けられ、乳酸が疲労物質とはいえないことが実験結果でわかってきたのです。

 

例えば、風邪の菌を投与されると、人は風邪をひきます。同様に、疲労の原因となる疲労物質を投与されれば、人は疲労を感じます。しかし、乳酸を投与しても、疲労を感じることはありませんでした。

 

あるラットを使った実験では、疲弊したラットに乳酸を投与した場合に、そのラットは乳酸投与後も何事もなかったように運動し続けられることがわかっています。そのほかに、運動中に乳酸は確かに増加するが、時間がたつと乳酸が減っていくことも確認されました。

 

生物には、糖質をエネルギーを生産する回路があり、解糖系と呼ばれています。解糖系では、糖がピルビン酸と呼ばれる物質になり、後にエネルギー源であるATPを発生させる元となります。このピルビン酸が発生する過程で、乳酸が発生します。

 

ただ、この乳酸は、肝臓を介して、グルコース(糖)に戻ることがわかっています。これは、コリ回路と呼ばれており、乳酸をエネルギー源として再利用できる回路であるといえます。つまり、乳酸は体内でエネルギーとして使用されており、生体内の反応で重要な物質であることがわかっています。

 

筋肉には、瞬発力を引き出す「速筋」と、持久力を引き出す「遅筋」があります。短距離やサッカーなどの激しい運動の場合は、速筋で糖からエネルギーが作られ、このときに乳酸が増えます。一方、ジョギングのような軽い運動のときは遅筋が働き、乳酸は主に遅筋で処理されて新たにエネルギーを作りだすことがわかっています。

 

近年では、乳酸は疲労物質ではなく、エネルギー源になっていると解釈されています。さらには、こうした原理を利用したトレーニングメニューの組み立て方があるほどです。つまり、スポーツの世界では、乳酸は疲労物質ではなく、必要とされる重要な物質として認識されているのです。

 

すでに述べたように、乳酸をうまく使うことで、トレーニング効率を向上させることができます。その方法は簡単で、終了時に軽い運動を行うだけで問題ありません。

 

サッカーなどの激しい運動をした後は、ジョギングやストレッチなどの軽い運動を行うように心がけましょう。このとき、時間にして10〜15分ほど行います。すると、激しい運動によって生まれた乳酸をエネルギーとして活用することができます。

 

本当の疲れ物質は活性酸素である

では、疲れ物質の本当の正体は何でしょうか。近年研究が進んで、疲労物質の根源が活性酸素であるとわかっています。

 

活性酸素とは、エネルギーの影響を受けて不安定になった酸素です。この物質は脳、神経、筋肉といった正常な細胞を破壊する性質を持っています。運動や筋トレによって、筋肉の繊維が傷つくのは活性酸素による影響であるとわかっています。

 

では、活性酸素が増殖することで、疲労につながる研究はされているのでしょうか?これは、活性酸素とファティーグファクターの関係について、理解する必要があります。

 

活性酸素が増えると、「ファティーズファクター(FF)」が増える

疲れ物質が何であるかお話する前に、先に人が疲れを感じるメカニズムを理解する必要があります。疲労を感じてしまう理由は、脳や筋肉で大量に酸素が消費されるからです。

 

人は運動したり仕事で頭を使ったりすると、筋肉や脳の細胞内に、血液を介して酸素が運ばれます。この酸素がエネルギーを生み出すのに重要な物質です。ただ、酸素が大量に消費されると、その中でごく微量の「活性酸素」と呼ばれる物質が発生します。

 

活性酸素は、酸素の物質とほとんど化学構造は変わりませんが、実際には細胞の組織を破壊する性質を持っています。そのため、頭や体を使いすぎて、エネルギーを生み出すために大量の酸素を消費すると、その過程で活性酸素の発生量が増えてしまいます。

 

すると、細胞が傷つけられて、うまく働かなくなってしまいます。そのときに「ファティーズファクター(FF)」が生じます。この物質は、たんぱく質の一種と言われており、運動や仕事によるハードワークによって生じると言われています。

 

2008年の国際疲労学会で初めてこの物質が見つかり、そこで報告されました。この疲労物質は「たんぱく質の一種で、活性酸素のダメージを受けた細胞から出る老廃物に誘発して作られる」と言われています。

 

ただ、私たちの体はFFばかりが増えるわけではありません。実際には生体内ではバランスを取るべく、疲労回復物質と相反した役割を持つ「疲労回復物質(ファティーズ リカバリー ファクター:FR)」が発生します。しかし、FFの量が多くなったり、FRの発生量が少なかったりすると、人は疲れが生じてしまいます。

 

疲労物質FFは、脳へ疲労シグナルを与え、運動や活動を抑制させようと促します。マウスの実験では、徹夜や激しい運動をさせると、心臓や肝臓などの臓器にこの物質が大量に増えることが判明しました。さらに、「元気に車輪を回していたマウスにこの物質を投与すると、次第に疲れて動けなくなってしまった」との報告もされています。

 

この疲労物質は、日常生活でも大量に発生することがわかっています。例えば、仕事で夜遅くまで残業したときです。激しい運動、徹夜などを行うと、この物質の発生量が増えることがわかっています。具体的には、徹夜をすると通常の3倍にまで発生量が増えることがわかっています。このように、疲労物質の根源はFFであると解釈されています。

 

疲労回復の方法

このように、運動だけに限らず、普段の日常生活でもFFを増加させないようにしていくことは重要です。それでは、これらを踏まえて疲労回復する方法について考えていきます。

 

疲労回復に役立つFRは年齢によって、発生量が減っていくことがわかっています。しかし、工夫次第でこのFRを
増やすことはできます。それは、適度な運動を行うことです。

 

FRはウォーキング、ストレッチによって分泌量が多くなることがわかっています。さらに、疲労回復には良質な睡眠を手に入れることが大切です。そのほかには、睡眠をしっかりとることも重要であると言われています。また、特定の成分によって、FRを増やすこともできます。具体的には「イミダゾールペプチド」を摂取することが大事です。

 

イミダゾールペプチドは、市販のサプリとしても販売されています。そのため、簡単に入手することができます。また、食品のうち、鶏の胸肉にイミダゾールペプチドが含まれています。そのため、鶏胸肉は積極的に食べるようにしましょう。

 

今回述べたように、筋肉に起こる疲労の仕組みを理解できます。乳酸は疲労物質ではなく、軽い運動でエネルギーとして使えることがわかっています。そして、疲れ物質の本当の原因は活性酸素であり、ファティーズファクター(FF)の増加によって説明されています。
活性酸素を減らすためにも、適度な運動や睡眠を見直すようにしましょう。疲労回復を確実に行い、継続的に筋肉を鍛えることができます。


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