疲労回復効果を高める具体的な食事法

年齢を重ねたり、運動不足に陥ったりすると、疲れやだるさに見舞われることはよくあります。特に暑い時期になると、一層疲労が蓄積しがちであると考える人も多いです。

こうした、暑さによる身体の疲労感は、栄養によって疲れを改善できます。人の体は、体温が高くなれば発汗によって熱を体から逃がします。しかし、栄養によって、体外へ熱を逃がす作用を促進し、疲労感を軽減することができます。具体的には、「牛乳」があります。

牛乳を摂取することは、疲労回復に役立つのがわかっています。ここでは、体の疲労を和らげる牛乳の効果と、疲労改善につながる食品について解説していきます。

暑い日に身体が不調を患う理由

普段、体を動かしている人であれば、真夏に運動を行っても問題となることは少ないです。ただ、日頃から何も運動していない人にとっては夏などの暑いときに激しい運動を行うのは危険です。

なぜなら、運動不足の場合、熱を外に逃がすための発汗作用が低下しているからです。

体内に熱がこもった場合、 体内の熱を放出する役割があります。しかし、血液の量が減って、汗の量が低下したり、血液の循環が低下すると、身体の発汗作用が低下するため、体内に熱がこもります。これによって、暑いときに疲労感を抱えます。

暑い日に、頭痛を伴うことはないでしょうか?一つの原因として挙げられるのが、頭の中に熱がこもってしまうことが挙げられます。

東洋医学の概念では、身体が不快な症状を抱える原因として「血の変調」が挙げられます。血とは、「血液量」「血液循環」などの要素が含まれます。そして、血液の循環が低下し、血流が滞留することで起こる症状に「発熱」が挙げられます。

つまり、血流が停滞したり、血液量が低下することで、体内に熱がこもったり、体外に熱を排出する汗が出なくなります。これによって、身体に疲労感が生じます。

血液量を増やす栄養療法

では、この他に、血液量を増やす工夫として何があるでしょうか?以下にその具体的な手法について解説していきます。

肝臓の機能を高める

人体において、血液を生産している部位は「肝臓」です。東洋医学的には、血液を蔵血する箇所として「肝」が挙げられます。

この肝臓の機能を高めることが血液の生産量を高めることにつながります、具体的には、「コレステロールを摂取する」「化学物質、添加物などの食品をさける」「タンパク質、脂質など血液に必要な構成成分を摂取する」ことが挙げられます。

体内に必要なコレステロールを生産する、化学物質の解毒を行う、血液、血管に必要なタンパク質を生産する仕事はすべて肝臓が行っています。もしも、食品によってコレステロールを摂取する、化学添加物をさける、タンパク質を摂取すれば、肝臓の負担が大きく軽減できます

これによって、血液量を増やしたり、血管壁の柔軟性を高め、血液循環量を向上させたりできます。

たんぱく質

具体的な食品として、「鶏肉」「魚」「卵」「大豆」などを摂取するようにしましょう。これらの栄養素は生体内に必要な必須アミノ酸が含まれています。

なお、これらのタンパク質によって、血管壁を生産の材料としても使われます。タンパク質を摂取する事で、柔軟性のある血管を作る事ができるので、摂取するようにしましょう。

鉄分を摂取する

これは、血液とは直接関係ありませんが、血液内における鉄分を摂取するは疲労改善に必要な栄養素をいえます。この理由として、血液内にある「ヘモグロビン」の量を増やすためです。

ヘモグロビンとは、ヘム(=鉄)とグロビンと呼ばれるタンパク質によって構成されています。そして、ヘモグロビンには、血液内の酸素を運搬する役割があります。ヘモグロビンの量を増やすことで、全身に必要な必要なエネルギーを送り届けることができます。

そして、ヘモグロビンの量を増やすためには、鉄分を摂取する必要があります。鉄分には、タンパク質と一緒についている「ヘム鉄」と、そうではない「非ヘム鉄」が挙げられます。この中で、ヘモグロビンの量を増やす為に必要な物質として「ヘム鉄」があります。血液内のヘモグロビンの量を増やすには、ヘム鉄の摂取するようにしましょう。

ヘム鉄の増やす食品として「レバー」「ほうれん草」「あさりの佃煮」「煮干し」等が挙げられます。これらの食品を摂取することで、ヘモグロビンに必要な

ビタミンCの摂取量を増やす

ビタミンCは生体内で鉄分の吸収率を高めることがわかっています。その他に、非へム鉄からヘムへの変換にもビタミンCが関わります。ビタミンCの例として、レモン、ピーマン、アセロラジュースなどが挙げられます。こうした食品を摂取することで、鉄分の吸収を高めることができます。

牛乳が疲労回復につながる理由

そのような場合、簡単な食品によって、運動で生じる疲労改善に対して、対策を立てることができます。それが「牛乳」です。

体の体温調節機能の低下について、信州大学では血液量との関係が研究されました。そこでは、体温当調節機能の異常は、血液量の低下が問題であると説明しました。汗は血液の中の水分から作られているため、体温調節機能を改善する手段として、血液を増やすことに着目しました。

そして、定期的に少しきつめの運動を行い、その直後にコップ一杯の牛乳を飲むだけで、血液量が増えて、熱中症対策につながると提唱しました。

これは運動量が少ない人のデータであるため、運動を始めたばかりの人にとってはとくに効果があるでしょう。そして、具体的な症状としては、熱中症の予防に有効だということです。

本格的に暑さが訪れる前の5、6月から、少しずつ牛乳を飲むようにします。すると、夏本番の熱中症対策につながります。運動中は飲むことが難しくても、運動が終わった後に摂取するようにするとよいでしょう。

牛乳を飲む他のメリット

その一方で、牛乳を飲むことで得られる良い効果もたくさんあります。例えば、先ほど述べた、血液量の増加に伴う疲労回復の効果のほかに、牛乳はリラックス効果が得られます。

これは、牛乳の中に含まれる「トリプトファン」という物質がリラックス効果を与えて、安眠が得られるというものです。トリプトファンとは、体で合成することができないため、必ず、食べ物から摂取する必要がある「必須アミノ酸」の一種です。

そのため、トリプトファンは、普段の食事の中で積極的にとる必要があります。そして、牛乳にはトリプトファンが豊富に含まれています
ただ、牛乳だけではトリプトファンの量は足りないため、同じくトリプトファンが含まれるバナナも一緒に食べるようにするとよいです。

牛乳のデメリット

ただ、牛乳は体にとってよくない情報がいくつかあります。例えば、「日本人は牛乳を分解する酵素が少ない」「カルシウム濃度が高くなりすぎると、体内のカルシウムイオンを調節する能力が低下してしまう」といったものです。

さらに、牛乳の中には「カゼイン」と呼ばれるタンパク質が含まれます。この物質は耐性がなければ、過剰に摂取することで、腸の壁の粘膜構造を歪ませる性質があります。これによって、消化不良、身体の不調を患うことがあります。自分自身が牛乳に強いアレルギーがないか確かめてください。そのうえで、摂取するか選択するようにしましょう。

まとめ

以上の内容をまとめます

・ 疲労回復には「血液の量」を増やすこと
・ 血液の量を増やすためには、肝臓の機能を高めたり、血液の材料を摂取する必要がある
・ 摂取したい食品として、「タンパク質」「鉄分」「ビタミンC」などが挙げられる
・ 牛乳には、疲労回復効果がある

これらの食品を摂取することで、疲労改善を抑えることができます。健康な身体維持のために、すべての食事法を実践するようにしましょう。

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