歩き・走り動作を向上させる「肩甲骨」「股関節」の話

日常生活では、体の不調、太りすぎ、美容といった様々な悩みが起こります。これらの悩みを解消する方法のひとつとして、運動が挙げられます。そして、いつでも一人でできる運動としてウォーキング、ランニングが挙げられます。

そして、体に負担なく、楽に歩いたり走ったりするためのフォームは存在します。これらの動作を普段の生活での「歩き方」に応用すれば、生活における体の負担を軽減できます。

このように、歩き方や走り方のフォームを改善することで、あらゆる問題の解決につながります。そのフォーム改善の考え方の一つとして、「肩甲骨」と「股関節」が挙げられます。肩甲骨と股関節の動きと特徴を理解し、動作に応用することで、心身に負担なく歩いたり走ったりすることができます。

ここでは、歩き・走り動作に応用するための肩甲骨と股関節の使い方を解説していきます。
 
 肩甲骨、股関節の動きを歩き・走りに活かすには
歩き・走り動作において、肩甲骨・股関節の働きは重要です。なぜなら、これらの部位を働かせることで、効率よく体を使えるからです。

例えば、野球の世界では、30年以上現役で活躍し続けた山本昌投手がいます。山本昌投手は20代後半以降、肩甲骨と股関節の動きを変えたことで、運動パフォーマンスを向上させました。

そのほかに、あらゆるスポーツで肩甲骨と股関節の動きを高める体操、動かし方があります。ランニングでは、け=肩甲骨、こ=股関節、し=姿勢で「こけしランニング」と呼ばれる走り方、ランニングの本があります。

ただ、一般人はどのようにすれば、肩甲骨と股関節を効率よく働かせることができるかわかりません。これらの理解に役立つものとして「肩甲骨ー股関節連動」という話があります。
 
 肩甲骨ー股関節連動とは
人の体は各部が独立しているのではなく、つながっています。小指を握ると、薬指が少し動くように、肩甲骨を動かすと、股関節も連動して動きます。

これは、初動負荷理論の提唱者である小山裕氏先生が説明したものです。肩甲骨の働き、反応は速い速度で股関節に伝わります。そのため、股関節を速く、効率よく働かせるには肩甲骨を速く働かせることが大切です。

例えば、歩き動作では、脚を動かすためには股関節を動かさなくてはいけません。そして、多くの人は歩くとき、足首や膝の関節を使って脚を前に出そうとします。
 
このときに、脚は全く動かさずに肩甲骨から腕を後ろに振ってみましょう。すると、右腕を振ると右腰骨も同時に動きます。これは、肩甲骨の動きに連動して、股関節も動くようになっているからです。

それによって、筋肉を効率よく働かせることができ、疲れにくい体を身につけることができます。これを、スポーツ科学では「全身協調力」が高まると言います。そして、歩き・走り動作で効率よく肩甲骨、股関節を働かせることができます。

 肩甲骨と股関節を最大限に使う方法
この肩甲骨―股関節連動性の考え方を取り入れると、あることに気が付かされます。それは、肩甲骨が緩めると
股関節も一緒に緩まることです。

例えば、あなたは赤ちゃんのハイハイの動きを見たことがあるでしょうか?ハイハイの動きを見ているとお尻だけでなく背中周りも動いているのがわかります。さらにその二部位が柔らかく動いているのがわかります。

これは、赤ちゃんの肩甲骨周りの筋肉がゆるんでいるからです。つまり、より股関節の動きをよくするためには肩甲骨周りの筋肉を緩めることが大切であることがわかります。

例えば、野球の世界で50歳まで投げ続けた山本昌投手は肩甲骨の柔軟性が非常に高いことで知られています。実際には肘の手術経験を持っており、腕を伸ばし切ることができない状態でした。しかし、その状態でも胴体部の筋肉をうまく活用して、多くの勝ち星を上げました。

どのようなスポーツを行っていても、肩甲骨周りの筋肉を緩めることは重要です。それは同時に股関節周りの筋肉が緩まることにつながるからです。そして、全身の筋肉の緊張が格段に取り除かれ、運動動作中に胴体部の筋肉を最大限に働かせることにつながります。

肩甲骨周りの筋肉をゆるめるポイントとしては、「姿勢を正す」ことと「両肩を落とす」ことが大切です。まず、姿勢は、少しアゴを引いて首の後ろ側の筋肉を伸ばします。次に上半身全体をほんの少し前に傾けると、上半身の姿勢を崩さずに前方に進みやすくなります。

そして、運動動作中は肩を落として腕をダランとさせましょう。これによって、肩甲骨周りの筋肉を動かしやすくなり、股関節も連動して動きます。これによって、そこまで脚や腕といった末端部に力を入れなくても体全体が前方に進みやすくなります。これによって、体に負担なく歩き動作を行うことができます。

日常生活の体の不調、太りすぎ、美容といった悩みを解消する方法として「ウォーキング・ランニング」が挙げられます。そして、ウォーキング、ランニングを筋肉に負担なく、スムーズに行うためには、肩甲骨と股関節を動作中に適切に働かせなければいけません。

そのために、必要な考え方として「肩甲骨ー股関節連動」が挙げられます。人の体は肩甲骨と股関節が連動して動き、ランニングではこの二部位を効率よく働かせる必要があります。そのためには、肩甲骨周りの筋肉をゆるませるようにしましょう。それによって、股関節もゆるみ、歩き動作でよく働くようになります。結果として、歩き動作が行いやすくなり、体の健康向上につながります。

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