足腰の筋肉を効率よく強化する「スクワット」の実践法

普段から運動不足で、ついつい体型が太ってしまう人は多くいます。あるいは、身体の不調が慢性化し、なかなか治らないことが起こります。そうしたときに、スポーツを行い、運動を行うことは大切です。一人でもでき、最も手軽に行えるスポーツとしてジョギングが挙げられます。

その中で、ジョギングで必要な筋肉を身につけることが大切です。走るときに必要な筋肉を身につけると、ジョギング動作を行いやすくなります。それだけでなく、筋力向上によって、代謝量や体力が向上します。これによって、身体の不調改善やダイエットにつながるのです。

そこで、ジョギング動作に役立つ筋トレとして、スクワットが挙げられます。スクワットを行うと、ジョギングに必要な筋肉が身に付くだけでなく、普段の姿勢不良も改善できます。そのため、ジョギングだけでなく、健康な身体を構築したい場合は、スクワットを行うようにしましょう。

そこで、今回は歩き・走る技術を向上させるスクワットについて、効用と行い方を解説していきます。

現代人がスクワットを行う重要性

腰痛や肩コリ持ちの人は、適切に、上半身の体重が下半身に乗っていない姿勢になっています。こうした姿勢不良を改善するために必要な筋肉が「太もも裏側の筋肉(ハムストリングス)」です。

太もも裏側の筋肉は姿勢よく立てているときは、キュっと締まっています。この部位が働かなければ、腰は後ろに傾いてしまい、猫背になってしまいます。もし、猫背になると、首や肩に負担がかかった姿勢になります。逆に、ハムストリングが緊張した状態では、骨盤が必要以上に前傾してしまい、腰痛をわずらいます。

さらに、現代では工事のような「体を使った作業」より、椅子に座った「頭を使った作業」を行う方の方が多いです。長時間椅子に座り続けることによって、ハムストリングを使う機会が少なくなり、かつ血流が低下します。これによって、ハムストリングが緊張、もしくは筋力低下を起こすために、身体の不調が起こります。

太ももの前側には「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」と呼ばれる筋肉があります。これは、膝を真っ直ぐ伸ばすために働く筋肉です。これに対して、太もも裏側の筋肉は前に進むときに働く筋肉です。そして、太もも前側の筋肉は、座り作業をしているときに固くなってしまうことがわかっています。

つまり、普段スポーツを行わず、座り作業中心の人の場合、太ももの前も後ろの筋肉も固くなっている可能性が高いため、姿勢不良が起こりがちです

これらの筋肉はジョギングなどの走る動作によって鍛えることができます。しかし、歩く時間が少ない場合は、自宅でスクワットを行うことで鍛えることができます。いずれにしても、太ももの筋肉は現代社会を健康的に過ごすために必要であるため、スクワットを積極的に行うようにしてください。

スクワットを行うときの注意点

スクワットのやり方としては、まず立った姿勢から、膝を曲げ、しゃがみこみます。膝を曲げていくと太もも周りに負荷がかかるのがわかると思います。この動作を10~15回程度行うようにします。膝関節が痛い場合、自分で曲げられる範囲で良いので動きだけ行うことが重要です。

そして、スクワットを行うときには注意点があります。それは、姿勢が崩れないことです。スクワットにおいて、立つときもしゃがんだときでも背筋は真っ直ぐに保つようにします。姿勢が崩れてしまっては太もも裏側にしっかりと負荷がかからず。逆に膝関節に負担をかけてしまいます。

無駄な動きや動作をなくすためには、体の各部に注意を向ける必要があります。そこで、正しくスクワットを行うためにも、「膝と足首」、「目線」、「腰」に気をつけて取り組むようにしましょう。

スクワットを行う場合の注意点として、まず、しゃがむときには、膝と足首の位置が垂直になるようにします。多くの人は膝が前に出てしまいますが、膝が前に出ると、腰が落ちやすくなってしまいます。この場合、膝関節に負担がかかってしまいます。

次に、目線は下げないようにします。目線が下がると、首関節が曲がってしまい、背骨が曲がってしまいます。すると、太もも裏側にしっかりと負荷がかかりません。トレーニング効率を良くするためにも、常に背筋は真っ直ぐに保つようにします。

また、膝と足首の位置関係が垂直になっているか気になってしまい、目線が下がってしまう人がいます。この場合、背筋が曲がりやすくなってしまいます。そうならないために、目線は正面を意識しましょう。

できれば、鏡の横に立ってスクワットを行うようにすれば、目線が下がらず、かつ膝と足首の位置関係を観察できます。

最後に、しゃがみこみ動作の意識です。しゃがむときは、膝を曲げることより腰に注目します。単に膝を曲げようとすると、猫背になってしまう可能性があります。そのため、しゃがむときは、上体を腰から折るような意識で上体を曲げてみてください。

膝を曲げるときに、お辞儀をするような意識で上体を腰から折れば、背筋が真っ直ぐに保たれた状態でスクワットをすることができます。この姿勢は、太もも裏側をしっかり活用する立ち方を覚えるときに重要になってきます。

片足スクワットによって、バランス感覚を鍛える

さらに、スクワットによって、身体に健康な筋肉や力を養うことができます。次に説明するのが「片足スクワット」です。

通常のスクワットは上体を腰から折るようにしてしゃがみこみます。このときに、背筋を真っ直ぐになるように意識します。この動作と片足で行うようにします。すると、スクワットの難易度が上がります。

片足スクワットは太もも裏側の筋肉を鍛えるだけでなく、バランス感覚も養われるトレーニング方法です。片足だけでスクワットを行い、背筋が真っ直ぐ維持するようにしましょう。このときに膝が内向きに曲がったり、猫背になったり。体の軸が崩れないようにします。

片足スクワットの特徴は慣れていない人はバランスが取れず、どうしても体が傾いてしまうことです。この原因はお尻の筋肉の一部である「中殿筋」がしっかり働いていないからです。中殿筋は上体の重みを腰の骨盤でしっかりうけるために、骨盤自身を支える役割があります。

この筋肉が使えるようになると、普段の姿勢で上体の重みを下体に乗せた姿勢を身につけることができます。それによって、股関節周りの筋肉を動作中にうまく働かせることができます。

片足スクワットができないと介護の必要性が出る

このスクワットはできない原因がいくつか存在します。その中の一つに股関節周りの筋肉をうまく使えていないことが挙げられます。

股関節周りには腰椎と太腿骨(だいたいこつ)を結ぶ腸腰筋と太ももの筋肉(大腿直筋)があります。これらの筋肉が片足スクワットで機能しなければ、うまく片足で「しゃがむことできません。すると、別の筋肉を使ってしゃがもうとしてしまいます。

例えば、上半身を後ろに傾けて膝を上げたときの動きと似たような動作でしゃがもうとするのです。これでは、股関節周りの筋肉は有効に働かないため、理想の姿勢と外れてしまいます。

人はこのように、ある動きで有効な筋肉が使えないと、別の筋肉を使って似たような動きを作ろうとします。これを「代償行為」といいます。代償行為を取るように体を動かしてしまうと、ますますキレイな姿勢や動きを身につけることができないために、どこかしらにストレスがかかってしまいます。すると、結果として怪我が生まれます。

例えば、スポーツの世界では故障個所をかばい続けて変な姿勢や動きを続けた結果、別の個所を痛めてしまうことがあります。これは、代償行為の動きが本来の動きと違うことから起こります。

このように、筋肉があるのに別の筋肉ばかり使って、意識できないようになると、「歩行」などの運動ができなくなってしまう可能性があります。これを「ロコモティブシンドローム」といいます。この症状に陥ると、基本的な動作ができなくなって介護が必要となってしまうため、自分で確かめる必要があります。

これをチェックする方法の中に「片足立ち」があります。片足スクワットは片足立ちよりも難易度は高いですが、股関節をしっかり使ってしゃがむことができなければ、片足で立つのも難しくなってきます。これができないと、理想の動きがわからないまま、身体の痛みや不調が起こりやすくなります。

アスリートであっても、片足スクワットができない人が結構います。なぜなら、スポーツをすることで筋肉がつきますが、動作中にそれらを使うこととは別問題であるからです。そのため、動作中にいままで眠っていた筋肉を呼び起こすためにも、トレーニングを続けるようにしましょう。

なお、膝が痛くてスクワットができない場合、片足立ちを行うことも有効です。これもバランス感覚が必要であり、代償行為、ロコモティブシンドロームの対策につながります。片足立ちを行うときも、背筋を真っ直ぐに維持してできれば、おへそと膝をなるべく近づけて、立つようにしましょう。

以上の内容を理解することで、ジョギング動作に必要な「スクワット」を行うことができます。スクワットを行うことで、腰や肩こり改善に必要な太ももの表と裏側の筋肉を鍛えることができます。

そして、スクワットを行うときは、背筋をまっすぐにして行うようにします。これにくわえて、目線や膝と足首の位置に気をつけて行うようにします。これによって、身体に負担なくスクワットを行うことができます。

さらに、片足スクワットを意識的に取り入れることで、太ももの筋肉のみならず、バランス感覚を養うことができます。こうしたトレーニングを取り入れることで、ジョギング動作に必要な筋肉を身につけ、ダイエットを実現したり、身体の不調改善を行ったりできます。

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