日常生活で、運動する機会を入れることは大切です。例えば、スポーツやストレッチを行うことで、普段使っていない筋肉に、刺激を入れることができます。これによって、腰痛、肩こり、慢性疲労などの身体の不調改善につなげることができます。
その中で、誰でも気軽に行える健康法として「ストレッチ」が挙げられます。日常生活にストレッチを取り入れることで、身体の不調を改善するための健康体を構築できます。そして、ストレッチの中でも、身体を動かしながら行える「動的ストレッチ」があります。
動的ストレッチの大きな特徴として、「関節の動きが良くなること」「身体のゆがみを取り去ること」です。運動不足解消のため、身体の不調改善のために、動的ストレッチを積極的に行うようにしましょう。
そこで、今回は身体のゆがみを取り去り、健康体を構築する「動的ストレッチ」の具体的手法について解説していきます。
動的ストレッチを実践する
あらゆる運動がありますが、動きを変えることで筋肉の使い方を変えることができます。その中で、「普段やらない動き」を行うことが大切です。
その理由は普段行っていない運動をすると、使っていない筋肉を意識することができます。普段から同じ筋肉を使って運動し、生活していると動きや姿勢の質が高まることがなく、体の一部分に負担がかかります。
これを改善するために、普段の生活で使える筋肉や使用する筋肉を意識的に増やすようにしましょう。すると、姿勢や動きが変わり、体の不調になりにくい体になっていきます。
筋肉には、可動性と安定性の二種類の性質を持っています。可動性は動くときに発揮され、安定性は静止しているときに発揮されます。この二種類の機能を最大限発揮されていることを「筋肉の協調性が高い」と言われます。
この能力は「普段行っていない」動きをすることで、向上させることができます。これは、普段の生活で歩いたり立ったりする動作で理にかなった動きを身につけるのに重要な要素です。
全身の筋肉の協調性を高めると、筋肉の収縮する速度を高めることができます。筋肉は収縮時にパワーを出しますが、伸縮を素早くすることで、爆発力が増すことができるのです。
スポーツの世界では、「プライメトリクストレーニング」と呼ばれる筋肉の収縮速度向上を目指したトレーニングがあるほどです。これらをかなえるためには、筋肉の協調性を高めるようにしましょう。
普段行わない動きの具体例
全身の筋肉の協調性を高めるには、普段やらない動きを意識的に行うようにします。例えば、腕を回しながらランニングをしたり、腰をひねりながらランニングをするといった方法です。このときは、頭と体をつなげる意識で取り組むようにしましょう。
その中でオススメなのが「ブラジル体操」です。ブラジル体操はサッカーの世界ではよく取り入れられており、その運動の多くは、全身の協調性やバランスを高め、関節の可動域を広める効果があり、すでに日本では広く普及されています。
ここでは、その一例を紹介します。
・肩回り+ランニング
両手を大きく回しながらランニングをします。右手が上にあるときは左手が下にくるように両手をそろえないようにします。逆回転も同様に行います。
・サイドステップ
両手、両足を広げて戻す(進行方向側の足にもう片方の足を引き寄せる)動きでサイドステップを行います。手は足を広げているときと同時に行います。
・キャリオカステップ
両手を横に広げながら、横に移動します。右に進むとき、左足を体の前方や後方にクロスさせ、右足をその横に戻すようにして進んでいきます。反対側も行います。
キックをするように足を前方に振り上げて、足とは逆の手の指先でつま先をタッチします。両足を交互に出して前に進みます。
・ヒールタッチ
カカトをお尻につけるように足を後ろにはね上げて進んでいきます。だらりと背面に手を伸ばし、手の指先にカカトをタッチするようにしてもよいです。
腕を曲げて両肘を回しながらスキップで前へと進んでいきます。
身体のゆがみを整え、バランスを調整すること」が挙げられます。
一般人の場合であれば「運動不足によって起こるからだのゆがみが起こります。座り作業が続くと、腰の骨にゆがみが起こりやすくなります。これらの欠点を解消するために、やりづらい動きを行うことは大切といえます。
スポーツを行うものは積極的にやりづらい動きを行おう
スポーツにおいて、左右非対称で行う場合がほとんどです。例えば、野球の場合、ボールを投げる動作は右利きであれば、右腕で投げます。すると、投げ続けていると右腕の筋肉ばかり使うため、体のバランスに偏りがでます。
怪我や不調を防ぐためには、こうした事態を避け、常にバランスを保つ必要があります。そのための方法として、「やりづらい動きを行う」ことです。
例えば、野球を例にすると普段右投げの人が左投げを行うと、とても投げづらく感じます。普段から、前を向いて歩いている人が後ろ向きに歩くと非常に歩きづらく思います。このような、普段あまりやらない動きややりづらい動きを積極的に行うようにしましょう。
普段やり慣れている行動と逆のことを行うと、あまり使われていない筋肉を使うことができます。これによって、慣れた運動ばかり行ってために生じた体の歪みが解消されます。それによって、体の不調や怪我を防ぐことにつながります。
普段行わない動きを行うことで、スポーツで成果を挙げている人はいます。大リーグで活躍しているダルビッシュ選手は、右投げ投手です。しかし、キャンプや練習のときは左投げの練習を行っています。これは、両方の腕を使うことで使っている筋肉に偏りをなくすためです。
ハンマー投げで金メダルを獲得した室伏浩二選手は新聞紙を握って球を作る練習を行っていました。新聞紙を握るという行為は常に同じ指を同じように使うわけではありません。毎回握るときに使われる指の力は違っています。そのため、指のあらゆる筋肉を使うことができます。
このように、やりづらい動きを行うことで、普段使われていない筋肉を使うことができます。それによって、身体のバランスを整えることができ、歪みを解消することができます。
ランニングでやりづらい動きを行い、歪みを解消するには
そのため、普段からやりづらい運動を取り入れることは体の不調や怪我の予防につながります。そこで、今回は、多くの人が行っている「ランニング」を例に、やりづらい動きを紹介していきます。普段の練習で取り入れることで、身体の歪みを確実になくすことができます。
まず、ランニングで後ろ向きに走ることは少ないです。多くの人は前を向いてランニングをします。そのため、普段の練習で後ろ走りを取り入れと身体のバランスを取りやすくなります。
前を向いて走っているときは、背中や太ももの裏側の筋肉が使われます。しかし、後ろ向きに走ると、反対側の筋肉が使われるようになるため、バランスが取れます。そのため、前を向いて走って疲れたときは、後ろ向きに走るようにしましょう。今まで使っていた筋肉を休めることができるため、練習効率も上がります。
あるいは、コーナーを曲がる時計周りにコーナーを回ることは少ないと思います。人はコーナー曲がるときは、左周りの方が周りやすいことが知られています。そのため、ずっと左周りで走っていると、身体のバランスが崩れてしまう可能性があります。
この場合、左周りだけでなく、右回りで回るようにしましょう。最初は右で回ろうとすると走りづらい感覚がありますが、慣れてくると負担なく行えるようになります。マラソンの実業団のランナーは体のバランスを整えるために、あえて逆回りに走る練習もあるぐらいです。
日常生活で起こる、慢性的な痛みや怪我は「歪み」が原因の場合があります。身体のバランスを整えるために、やりづらい運動をあえて行うようにしましょう。身体バランスが整い、歪みが解消されることで、不調や怪我を防ぐことにつながります。