身体が違和感や不調に陥る理由と解消する具体的手法

仕事で頭や体を使いすぎると、身体に不調が生じます。例えば、頭や首に違和感を持ったとします。そうした不快な感情が頭に残ってしまうと、なかなか本来の動きに集中することができません。

 

私たちは、様々な痛みや違和感と適度な距離を置いてかかわっています。それらがほどほどであるときは問題ないのですが、少し大きくなると困ったことになります。

 

腰や肩に違和感があると、それが気になって今行っている仕事に意識が行かなくなったり、メンタルに影響します。このように、人は「痛み」「違和感」などの否定的な情報ばかり拾い集めてしまい、結果的にメンタルにも影響を及ぼします。

 

そのため、体が部分的な痛みに意識が行きやすくなる理由を理解する必要があります。ここでは、人が部分的な痛みや違和感が体全体に伝わる原理について解説していきます。

 

部分的な痛みが体全体を覆ってしまう理由

では、なぜ痛みや違和感が少しでも大きくなると、身体ばかりでなく気分までも大きく影響を与えるのでしょうか。これは、身体の感覚の持つ「反応パターン」が関係しています。

 

身体の感覚は痛みなどの否定的な情報に対しては防衛反応から敏感になる性質があります。すると、痛みが大きくなると、そこに注意が向けられて気になるようになります。
 
痛みなどの違和感を身体が受け取ると、体はその痛みが全身に広がっていかないように、その感覚が起こっている身体の部位を切り離そうとします。

 

例えば、頭痛が起こったとすると、痛みが頭以外に広がらないように、頭を他の部位の感覚から切り離そうとします。すると、不快な感情が頭に集中するようになり、やがてだんだん大きくなっていきます。

 

ここで、これらの一連の反応パターンを鍋(なべ)と食材にたとえて説明します。「痛い」「柔らかい」などの感覚を「鍋(なべ)に入れる食材」、感覚を受けとめる身体全体を「鍋」とします。

 

少し痛みを感じてもその感覚にとらわれていない状態は鍋の大きさに対して食材の量が適切になっています。痛みの食材が入っても大きな鍋がすぐに調理してくれるから痛みが残り続けるということがありません。

 

しかし、痛み(頭痛)の食材が少しでも大きくなったとすると、鍋全体にその食材が広がらないように「仕切り」を入れようとします。仕切りが入れられると頭痛という食材は狭いスペースに一気に押し込まれて、あふれかえることになります。

 

すると、痛みの食材はどんなに加熱しても調理することができなくなり、どんどん大きくなってしまいます。そして、身体は鍋の中で狭く仕切られた頭の部分だけに感覚が集中して、他の部分に調理ができる大きなスペースにあることを忘れてしまいます。 

 

つまり、痛みという食材であふれた、頭という狭いスペースが鍋のすべてだと勘違いしてしまいます。それにとらわれて、「自分の身体すべてが痛みに覆いつくされている」という感覚になってしまうのです。その結果、気分にまで大きな悪影響を与えるのです。

 

そのため、痛みや緊張といった違和感に対して、私たちはどのように対処すればよいのでしょうか。それは、鍋の中に他にも大きなスペースがあると身体に思い出させることです。それにより、痛みや違和感が小さいものだと頭で気づくことができます。

 

身体全体を切り離した「頭」の部分だけでなく、呼吸や姿勢を整えて、感覚を身体全体につなげてあげるのです。

 

これは、スポーツの世界で大事な場面で緊張してしまうのと同様です。ここ一番の場面で気持ちや心にゆとりがなければ、落ち着かなくなってしまいます。これは、自分の緊張という感情が少しでも大きくなると、心の中に仕切りができて、緊張する感覚を狭いスペースに閉じ込めようとします。

 

たとえ小さな緊張であっても心の中が緊張でいっぱいだと勘違いしてしまうのです。すると、自分で勝手にプレッシャーを大きくしてしまいます。この状態では試合で思い通りのプレーをすることができません。

 

小さな緊張を小さい緊張であると気づかせるには?

そのため、痛みや緊張といった違和感に対して、私たちはどのように対処すればよいのでしょうか。それは、鍋の中に他にも大きなスペースがあると身体に思い出させることです。それにより、痛みや違和感が小さいものだと頭で気づくことができます。

 

身体全体を切り離した「頭」の部分だけでなく、呼吸や姿勢を整えて、感覚を身体全体につなげてあげるのです。

 

自分の感覚を身体全体につなげるとは具体的にどういうことでしょうか?以下にその具体的な手法について解説していきます。

 

「痛みの出ている部位」と「他の部位」に手を添えてみる

人が痛みや違和感にとらわれているときは、「痛みが起こっている部分とそのほかの部位と感覚がつながっていない状態」になっています。その場合、痛みの起こっている部位に感覚が集中しやすいため、他の部位もあることを身体に思い出させましょう。それにより、痛みや違和感が小さいものだと頭で気づくことができます。

 

呼吸や姿勢を整えて、感覚を身体全体につなげてあげるのです。そこでもっとも簡単な方法として、痛みが起こっている部位と違う部位に手を添えることが挙げられます。

 

例えば、肩を痛めたとします。肩に違和感があるときは、頭の中は痛みの起こっている「肩」に意識が行きがちです。そこで、自分の体に頭や胸、脚といった他の部位があることを思い出させることで、頭の痛みが少し緩和されます。

 

肩が痛くなったと仮定すると、楽な姿勢で座って肩以外の体の部位に手を添えてみましょう。例えば、太ももを軽く自分の手で触ってみましょう。太もも以外に「お腹」「胸」「頭」を触っても構いません。なるべく楽な姿勢で触れる部位が良いでしょう。

 

太ももに触れて、触っている感覚や体温を感じ取ってみましょう。ゆっくり時間をとって呼吸をすることで、頭の中に太ももの感触や感覚が広がっていくように意識します。また、太ももからつながってお腹や脚といった部位もあることを感じとってみましょう。

 

すると、肩の痛みが少しずつ頭から離れていくのがわかります。自分の体に太ももなど他の部位があることを思い出してくれば、痛みにとらわれることはありません。頭の中で大きくしていた肩の痛みが少しずつ小さくなっていき、体が楽になっていくようになります。

 

このように、痛みは物理的に痛めた場合と、精神的な部分からきていることが多いです。その場合、自分の身体には胴体や四肢など他の部位があることを再確認しましょう。

 

仕事中に緊張した場合は「音」を聞いてみる

これは、仕事中に緊張してしまったときも同様です。大切な商談やプレゼンで緊張すると、「目」が緊張しやすくなります。すると、頭の中に焦りや不安が大きくなってしまい、体全体の筋肉が固くなってしまいます。

 

こうした場合、目の緊張や意識を取り除き、他の部位に意識を向けるようにしましょう。すると、頭の中が「目」以外の体の部位を思いだし、不安な気持ちが軽減されます。

 

具体的には試合で緊張した場合は「耳」を意識するのがおすすめです。不安な気持ちに襲われたら、目以外の部位を思い出させるため、周りの情景ではなく、観客の声援など「音」を聞いてみましょう。目をつむって周りの音に耳を傾けて「今、みんなが盛り上がっているな」と確認するように聞き流します。

 

そのように数十秒間音を感じとったあとに目を開けてみましょう。すると、頭で迷っていた状態が整理されて、落ち着くことができます。

 

目は体の中で特に緊張しやすい部位です。目をつむったり、耳を使ったりして動きを止めてあげると固くなっていた眼球周りの筋肉がゆるみます。それにより、頭の中が目にとらわれず、考えがぐらぐらゆれてしまうのを防ぐことができます。

 

社会人や仕事で頭や体を使いすぎると、不調が生じます。例えば、調子が悪く、頭や首に違和感を持ったとします。そうした不快な感情が頭に残ってしまうと、なかなか本来の動きに集中することができません。そこで、身体の反応パターンである「部分的な痛みが全体の痛みと勘違いする」ことを理解しましょう。これにより、身体の余計な緊張や不快感がなくなり、結果として疲労感を取り去ることができます。


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