本当に横向き姿勢で寝ると睡眠不足は解消されるのか

睡眠不足を解消することは、不調を改善するために大切です。それだけでなく、仕事の能率やスポーツのパフォーマンスを向上させるためにも重要であり、睡眠を考えることは健康な身体につながります。

 

そこで、睡眠不足を解消するために、睡眠姿勢を見直す必要があります。睡眠姿勢には、「仰向け」「うつぶせ」「横向き」の三種類があります。近年、健康情報が充実し、適した睡眠姿勢も解明されてきました。その中で、横向き姿勢は睡眠不足解消のために良いとされています。

 

横向きに寝ることで、「いびきがなくなる」「腰痛が楽になる」といった効果も報告されています。しかし、身体の観点から考えると、横向き姿勢を構築することで、睡眠不足は解消されても他の問題に陥る可能性があります。具体的には背骨の歪みです。

 

近年、横向き姿勢で寝たほうが疲労が改善できるという情報があります。しかし、横向き姿勢に対するでデメリットをきちんと把握し、自分にとって適した睡眠姿勢を構築するようにしましょう。そこで、今回は横向き姿勢に対するメリット、デメリットについて解説していきます。

 

横向き姿勢が良いといわれる理由

睡眠姿勢において、横向き姿勢が良いといわれる理由について解説していきます。

 

横向き姿勢のメリットは呼吸がしやすくなることです。

 

人によって、寝るときにいびきをかくことがあります。いびきは仰向けで寝ているときに起きやすいです。仰向けに寝るといびきをかきやすくなる理由として、舌がのどに落ち込みやすくなり、口の奥にある酸素の気道が下がるからです。これによって、呼吸をしたときの空気抵抗が大きくなるために、のどの粘膜の振動が高くなり、いびきをかきやすくなります。

 

そこで、いびきと睡眠不足が関連づけられる理由として、「呼吸のしづらさ」にあります。気道が狭くなった状態では、酸素の出し入れがしづらくなるため、呼吸動作を行うたびに負荷がかかります。これによって、心拍数を調整する自律神経が過剰に働き、疲弊します。もし、自律神経が疲れれば、身体全体に疲労が及んでしまい、結果として睡眠の質が下がります。

 

人は一日のうちに4000回以上呼吸をしているとされています。そこで、気道を広くすることで睡眠時の呼吸が行いやすくなり、疲労回復につながります。実際に、医療の世界では睡眠障害を患っている人のための呼吸マスクがあります。このマスクをつけると、睡眠時の呼吸量が調節され、睡眠の質を向上できることがわかっています。

 

脳科学で疲労について詳しい梶本修身氏によると「いびきをかくと睡眠時に疲労が蓄積される」とも説明しています。実際に、疲れを客観的に分析する自律神経センサーより、6人の被験者の睡眠における疲労を分析されました。すると、仰向け姿勢で寝ると、被験者全員がいびきをかき、疲労度は上昇すると結果が出ました。

 

そこで、被験者の腹回りにテニスボール入りのウエストポーチを入れて、横向き姿勢を固定し、再度睡眠時の疲労度を測定しました。すると、ほぼ全員のいびきをかく時間が少なくなり、疲労度も低下することがわかりました。このため、横向き姿勢で寝ることは、疲労改善によいと報告されました。

 

さらに、気道を広くすることで、体内に入る酸素量も増えます。これによって、腰痛や肩こりといった症状も改善にもつながります。実際に、腰痛に困っている人が横向き姿勢で寝ると、腰痛の症状が楽になったという話があります。これは、横向き姿勢によって、腰痛の原因の一つとされる「体内の酸素不足」が解消できるからです。

 

余談ですが、東洋医学的には横向き姿勢のほうが、心臓の負担が軽減され、メリットがあると説明されます。このように、横向きに寝ると、「気道を広げることができる」「心臓の負担が軽くなる」ことが期待できます。

 

横向き姿勢のデメリット

横向きに寝ると、睡眠時における酸素供給がスムーズになり、睡眠の質を高めることは可能です。しかし、横向き姿勢で問題となるのは、骨盤のゆがみが起こることです。

 

この理由として、横向き姿勢は布団との接触面が小さくなるからです。

 

まず、人にとって心身ともに安静して寝れるのは「仰向け」姿勢です。なぜなら、仰向け姿勢は、布団と体の接触面が最も大きくなるからです。しかし、横向き姿勢は、床との接地面が少なくなり、少し体が動いてしまうと関節にねじれを起こしてしまいます。この際には、肩、胸といった部位が歪みを起こしやすいです。

 

これらの部位にねじれを起こすと、関係する神経や血管も圧迫されます。すると、関連する内臓に栄養が行きづらくなるため、内臓の機能低下を起こします。実際に横向きに寝て、下にした肩と腕がしびれた経験はないでしょうか。これは、横向きに寝ることで、片側の身体の一部に負荷がかかったことで起こります。

 

さらに、横向きに寝ることによる弊害は左右に重さのかかり方に差が生じて、顔にしわや歪みが出やすいことです。人体の背骨のうち、可動域(動く範囲)が広いのは胸椎です。上半身が前後左右の方向に捻り動作が行えるのは、胸椎の動く範囲が広いからです。胸椎が睡眠中に動いてしまうと、身体にねじれを起こしてしまいます。すると、関係する臓器に負担が大きくなります。

 

現実的に、すべての臓器と筋肉を休ませるのであれば、仰向け姿勢で寝れるようにする必要があります。仰向けで寝ようとすると、「どうも寝れない」「何か気持ちが休まらない」といった感情を持つ場合は、身体のどこかがねじれていたり、こわばっている可能性があります。このねじれやこわばりは日々の生活で身体の姿勢の意識低下、仕事や生活で体に過緊張によって発生します。

 

そのため、日々の姿勢や仕事によるストレスにより身体の影響は確認するようにしましょう。目安として、朝起きてだるい感覚がある、4時間以上たっても仕事のやる気が起きない場合、日々のストレスによる睡眠不足に陥っています。もし、背骨のねじれや筋肉のこわばりをとらない限り、仰向け姿勢で寝づらい状態は変わりません。

 

また、横向き姿勢に変えたからといって、ねじれや力みはとれず、むしろ歪みが大きくなってしまう危険があります。そのため、仰向け姿勢で負担なく眠れるように自身の筋肉をゆるめるように努めましょう。

 

寝相でわかる、身体の健康の状態

ちなみに、ヨガの世界では、睡眠姿勢によって健康状態を把握できます。以下にその例について解説していきます。

 

うつ伏せ
腎臓、胸部の働きが弱っていたり、下垂しています。排泄機能、呼吸機能が弱まっている可能性があります。腰に負担がかかりやすいため、性ホルモンのバランスが悪くなります。

 

横向き
どちらの側を上にしているかによって症状が変わります。寝る際は、昼間疲労したほうを上にして異常な部位を休めるように姿勢にします。下側の体温は高くなるため、異常のある方が冷えるように上にします。

 

肝臓の悪い人は右側を上にして眠ります。脾臓や胃が悪い場合は左側を上にします。しかし、疲労が積み重なる場合、体液が凝縮してしまい、凝りになってしまっている場合があります。その場合であれば、異常が起こっている部位を下側にして血液を集めます。これによって、血液が集まりやすくなり、臓器の修理に必要な栄養素を多く届けることができます。

 

横向きで両ひざをまげて寝る場合、消火器に異常があります。横向きで片方の膝をまげて寝る人は、泌尿器に異常があります。

 

仰向け
仰向けで、手も足も下にまっすぐ伸ばしている状態が最も健康な状態です。もし、まっすぐに足を伸ばして寝づらい場合、どこかに異常が起こっています。

 

例えば、片方の足を上にして足を組んだり、膝を曲げている場合は、恥骨がふぞろいになっています。にきび、そばかす、水虫などの皮膚病になりやすいです。排泄も不完全になり、便秘に陥りやすいです。

 

左右の足を重ねている場合、のせた足の内臓が弱っています。右足の場合は肝臓、左足の場合は胃が弱っています。大きく開きたい場合は大腸や生殖器の異常が起こっています。

 

このように、睡眠姿勢によっても各臓器の異常が起こっていることがわかっています。

 

上記した通り、横向きの姿勢の場合、片側に体液が集まりすぎてしまうため、常に同じ向きで寝続けるのは困難といえます。そのため、仰向けで手足を伸ばして、楽に寝られるようにしましょう。

 

ゆるめるべき部位は首の後ろと腰回りの神経

では、睡眠不足の方は具体的にどの部位をゆるめれば良いでしょうか?全身の筋肉をゆるめることが理想ですが、時間がない場合は、「首の後ろ」の筋肉に刺激を入れて、神経をゆるめるようにしましょう。

 

頸椎と仙椎(仙腸関節と呼ばれる背骨の根本に位置する関節)には、身体の緊張を抑えるための「副交感神経」に関係する神経線維が通っています。普段、仕事や生活で緊張し、頑張りすぎている人の場合、これらの神経線維がつまり、副交感神経の働きが鈍っている可能性があります。

 

その中でも、頸椎1〜3番目(頸椎は7番まである)を刺激し、神経のつまりをとることが大切です。睡眠不足に陥っている人は、頸椎一番目の神経がつまり、頭が疲労しているからです。頸椎1〜3番目の神経のつまりを取り去り、栄養分がきちんと頭に行くようにすることで、頭部の疲労解消につながります。

 

頸椎に刺激を入れる体操法を解説します。

 

頸椎一、二番目……仰向けに寝て、顎を上げてつま先を立てて、足を上げ下げします。
頸椎三番目……  仰向けに寝て、顎を引いてつま先を立てて、足を上げ下げします。

 

 

このように、頸椎に血液が流れるように、体操を行います。首の後ろの筋肉が使われ、神経のつまりをとることができます。睡眠不足に悩んでいる人の場合、頸椎1〜3番目の神経を体操や指圧を行い、ゆるめるようにしましょう。

 

両ひざをまげて寝ると疲れが効率よくとれる

ちなみに、両ひざをまげて寝ると、睡眠の質を高めることができます。この理由として、膝を曲げると頸椎1番目がゆるむからです。

 

腰椎(背骨の中で腰に当たる骨)は、骨盤が前に傾くことで、反りが大きくなります。これを膝を曲げることで、抑えることができます。背骨は、腰椎が反ると、上に位置する胸椎や頸椎にも必要異常の反りや歪みが起こります。腰椎の反りが少なくなることで、頸椎一番目の過度な反りがなくなり、結果としてゆるみます。

 

現代人の場合、疲れの多くは脳の後ろから起こっています。日々の仕事や生活における過緊張によって頸椎にかかる負担は大きくなっています。そのため、頸椎一番目をゆるめ、神経のつまりをとるようにしてください。このような工夫によって、睡眠の質を上げ、疲労改善につなげることができます。

 

まとめ

以上の内容をまとめます

 

・横向き姿勢に寝ると、睡眠時の気道が広がるため、疲れを起こしにくい
・ただ、横向き姿勢で寝ると、背骨の歪みが起こり、内臓に負担をかけてしまう恐れがあります
・最も心身に安定するのは仰向け姿勢で寝ることです。しかし、
・仰向け姿勢で寝れるようにするためには、頸椎1〜3番目を体操によってゆるめることが大切です

 

これらの内容を理解し、睡眠姿勢を正して質の高い睡眠方法を構築するようにしてください。これによって、睡眠不足を解消することができます。


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