日常生活では、姿勢が崩れることによって腰痛や肩コリが生じます。スポーツ選手であっても、骨格が歪んだ状態では腰や膝に痛みが生じます。
弓道を含め、あらゆるスポーツを行うことは、姿勢や骨格の歪みが生じます。多くのスポーツ経験者を含め、一度使った筋肉を元の状態に修正する作業を怠っています。そうすると、怪我や体の不調わずらってしまいます。
このように、体の不調やゆがみを解消するために、一度使った筋肉をしっかりリセットすることは大切です。ここでは、一度使った筋肉をリセットするために必要なことについて解説していきます。
筋肉をゆるめるには
人の体には、数百個の筋肉があります。その中でよく使われるのが胴体部の筋肉です。胴体部の筋肉は座り作業であっても使われるために、多くの人が凝りを生じてしまいます。
特に、ほとんどの人は背筋を伸ばそうとして前傾姿勢になります。前傾姿勢になると、背中は真っ直ぐに正しやすいです。しかし、骨盤を前傾させることによって腰部から臀部の筋肉が固くなってしまいます。腰痛、肩こり、膝痛の原因は前傾姿勢による反り腰から生じることがほとんどです。
そのため、こうした筋肉をゆるめることが必要です。ただ、筋肉をゆるめるというと、世の中の人は「マッサージ」を想像します。
確かに、筋肉を手でもんだりほぐしたりすることで、固くなった状態からほぐれるようなイメージがあります。ただ、こうしたストレッチやマッサージを行っても、実際には元に戻ってしまうことが多いです。
マッサージ屋に行ってマッサージを受けると、施術後はほぐれる感覚はあります。しかし、時間がたって次の日になると、元の固くなった状態に戻ってしまいます。定期的にマッサージを受けても、結局固くなった筋肉がほぐれることはありません。
そのため、筋肉だけに焦点を当ててアプローチをしても筋肉をゆるめることはできません。本当に筋肉を固い状態から解放してあげるためには、筋肉以外の部分に目を向ける必要があります。そのため、ストレッチとマッサージだけでは、筋肉を芯からゆるめることはできません。
本当に筋肉をゆるめるためには神経に目を向ける
では、筋肉を本当にゆるめるために必要なことは何でしょうか?それは、体中にある筋肉を取り巻く「神経」をゆるめることです。
神経と言われると多くの人は「筋肉と関連があるのか?」と思いこんでしまいます。しかし、筋肉を動かしているのは神経細胞です。脳からの指令を神経から受けて、筋肉が動きます。そのため、筋肉をゆるめるためには、そこに取り巻く神経にも視野を入れなければいけません。
例えば、熱いお湯に手を入れると、「熱い」と思ってすぐに手を引っ込めると思います。これは熱いものに手を触れたら、神経が反応して筋肉に収縮するよう命令するからです。どれだけ筋肉がゆるんでいても、神経が過敏に反応したら、人の筋肉は固くなってしまうのです。
神経は筋肉や骨の隙間に存在しており、末端部まで伸びています。神経が適度に長さがあるときは、筋肉や関節に干渉がないために、情報や指令の伝達がキチンと行われます。
神経が伸ばされて干渉がないときは、神経から筋肉に適切に指令を送ることができます。すると、神経が「柔軟になりなさい」と指令を送ると、筋肉にしっかりと「柔軟になりなさい」という命令を受け、ゆるむことができます。
ただ、神経は筋肉と同様に長さが変わります。何もケアをせずにほおっておくと神経線維は縮んでしまいます。神経が縮んでしまうと、筋肉や他の部位と干渉が起こります。すると、神経が筋肉に対して命令や情報を送るための通り道が阻害されてしまいます。