現代人が抱える万病として、「腰痛、肩凝り」が挙げられます。特に、腰痛は世界中で認められる一つの病気と言われるくらい、多くの社会人が抱える症状です。
そして、社会人のみならず、スポーツ経験者であっても腰痛を患っている方はいます。腰を痛めてしまうと、「歩く」という動作が行いずらくなります。すると、全てのスポーツ動作がやりずらくなってしまい、日常や仕事にも影響が出てしまいます。
そして、世の中には、数多くの腰痛を直す手法が紹介されています。例えば、その中で「筋トレ」を行うことが挙げられます。腰周りの筋肉を鍛えることで、腰の負担をなくすことが可能です。
ただ、こうしたやり方をただ行ったとしても、全く腰の痛みが軽減されず、悩みが尽きないことがあります。そして、武道の観点から考えると「無理や我慢した筋トレ」を行わず、腰の筋肉をほぐす手法があります。そうして、あなたの体に負担をかけず。腰の痛みを軽減できます。
それでは、腰痛で体を痛めたとして、どのように対処していけば良いでしょうか?ここでは、「腰痛のときにで筋トレを行うと危険な理由」と、腰の症状を改善する手法について解説していきます。
腰痛のときに筋トレを行ってはいけない理由
まず、最初に述べておくと、「筋トレ」をしても、腰痛改善につながらないケースがあります。その理由として、腰痛の原因は筋肉以外の他の部位に存在するからです。これについては後に述べます。
一般的に腰の痛みの症状して以下のものが挙げられます。例えば、「脊柱管狭窄症」「腰椎すべり症」「椎間板ヘルニア」などがあります。
「脊柱管狭窄症」とは、背骨の間にある管状の空間が圧迫されることで生じる痛み、「腰椎すべり症」は腰椎(腰の骨)の上部が前方に滑ることで生じる痛み、「椎間板ヘルニア」は背骨の間にあるクッション(椎間板)が、つぶれてしまい、中身が飛び出すことで起こる痛みです。
ただ、これらの症状によって改善される例は5%程度であり、実際の原因は「不明」とされています。理由としては、これらの原因を突き止め、手術しても症状が改善されないという声が多く挙がっているからです。
それでは、腰の痛みとして他にどのような原因が考えられるでしょうか?その中として「神経」があります。「神経」とは、私たちの体の中に存在する「筋肉」を動かすために必要な部位です。ここで簡単に神経と筋肉の関係をお話します。
例えば、一枚の紙を用意します。次に、あなたが人差し指と中指を間を空けて「チョキ」の形を作ります。その間に紙を用意をして、上から落とします。このとき、あなたはその紙がとれるのでしょうか?おそらく取るのが難しいと思います。
これは、紙が落ちたときに、脳から「右手の筋肉を動かしない」という指令が背骨の「脊髄」を介して、神経に流れます。そうして、右手の筋肉に情報が流れることで、右手の筋肉が動きます。こうして神経から「情報、命令」が流れ、筋肉が動くようになります。
さらに、神経を圧迫すると、「痛い」という情報が流れます。試しに、右腕をつねると、痛いと思います。これは、右腕をつねることで筋肉の奥にある「神経」が圧迫されるからです。つまり、体内にある神経が圧迫されたり干渉されたりすると、人はその部位を「痛い」と感じ取ってしまいます。
そして、腰周りには、太ももにかけて、「腰」「お尻周り」の筋肉の活動に関係する神経があります。これらの神経が圧迫されたり、干渉を受けると腰に「痛い」という情報が流れます。これによって、人は腰部を「痛い」と感じるようになります。
さらに、腰痛を患う人は、「太もも裏、ふくらはぎがしびれる感じがする」と別の部位に痛みを訴える人がいます。これは、腰に生えている神経が「太もも裏」「ふくらはぎ」までつながっているからです。腰部にある神経が圧迫されることで、末端に位置する太ももやふくらはぎにも影響が出るのです。そのため、腰痛とは、ほおっておくと痛みや痺れが脚全体に通ずる可能性があります。
そのため、筋トレをして、筋肉を強化したとしても、「腰痛が解消されない」ことが起こります。なぜなら、筋トレは筋肉を強化するだけであり、神経の圧迫を取るわけではないからです。あくまで、神経に目を向けなければ、上記に述べた「右手をつねられた状態」を改善できないため、腰の痛みをまた患うようになります。
筋トレではなく、「筋肉」をほぐすことに目を向ける
もし、神経の圧迫を取り去ると、筋肉を「伸ばす」「縮む」といった指令を送りやすくなります。この状態は筋肉が自由に伸び縮みできる状態=しなやかに動かせる筋肉といえます。そのため、腰の痛みを取り去るには「筋肉の強化」ではなく、「神経の圧迫」を取り去ることを考えることが先です。
そして、武道の世界では、神経に直接アプローチして、結果として筋肉をほぐす手法があります。ただ、この手法は一人で独学で学んでも、きちんとできないので、実際に実践できる人に効いて行うことが無難です。
ただ、「神経」に目を向ける意外に、筋トレ以外に筋肉に直接アプローチして施術する方法があります。それが、「緊張を取る」ことです。
筋肉は、血流が滞り、伸縮活動がしずらい状態(筋肉内にカルシウムイオンが貯まっている状態)に陥る場合があります。この状態を改善すると、筋肉が伸び縮みしやすくなります。これは、「筋肉の緊張を取った」ことにつながります。すると、痛みの指令を出していた神経が収まり、痛みが軽減されることがあります。
筋肉の緊張を取る場合、まずは、筋肉内で血流が滞っていた部位に指圧し、圧をかけます。すると、血流のつまりが解消されます。これによって、筋肉の緊張を取り去り、痛みの軽減につながっていきます。
その際には、緊張している部位を直接触らず、別の部位から緊張を取るように仕向けるという手法があります。例えば、腰部の筋肉であれば、太ももの外側の筋肉をたたいてみましょう。すると、腰部の筋肉を揺らすことができ、結果として、腰部の筋肉にアプローチすることができます。
その次に、背筋周りの筋肉(広背筋など)のつまりを押してあげることによって、血流改善を促します。例えば、背中と脇腹の間の筋肉を押して、上半身を前に屈んだり後ろに反らしたりします。すると、血液が腰部に流れるようになります。そうして、押されている部位に多くの血液が流れるようになり、血流が改善されます。
腰痛の改善といっても「筋トレ」だけでは効果がない場合があります。その場合は筋肉以外の周りにある「神経」に目を向けることで結果として筋肉を改善することができます。さらに、血流が滞った部位に指圧で圧をかけ、体を動かしながら血流改善を促す方法もあります。こうした工夫を毎日取り入れることで、腰の痛みを確実に解消できます。