腰痛の方が知っておきたい腰の仕組み

スポーツをしたり、日常生活で仕事や体を使うときに、慢性的で治りにくい症状があります。それが、腰痛です。腰痛は年齢を重ねると、発症しやすくなり、一度患うと仕事や日常生活で大きく支障がでます。

ただ、当サイトでは武道における合理的な身体の使い方を学び、腰痛の直し方を提案します。その際には、間違った体の使い方や筋肉の使い方をしないために、腰の仕組みや筋肉の特徴を解説します。こうした内容を知らずにいると、無理な筋肉を使い方をしてしまう場合がほとんどです。実際に、腰痛を自分で直した人ほど、腰の仕組みについて積極的に学んでいることが多いです。

そのため、「腰の痛みを解消するには、腰の仕組みを学ぶ」ことを認識したうえで、腰の骨、筋肉、神経について正しい知識をもつ必要があります。

腰の場所、骨

一般的に、骨の位置は人間の体の真ん中あたりにあります。真ん中とは具体的に、肋骨の下から腰骨の半ば辺りを指します。

次に、背骨を見てみましょう。背骨は立った状態で腰骨あたりに手をそえて、手を水平に添って背中の中心に動かしてみてください。すると、身体の中で最もくぼむ場所があります。これは、背骨と股関節のつながるところであり、背骨の始まりといえます。

そして、股関節の上に、腰の骨が5つあります。これは腰椎といい、上から順に「第一腰椎、第二腰椎……」といいます。中でも、異常が起きやすいのは第4腰椎、第5腰椎です。

異常とは、具体的には、「その周りの骨の位置がずれる」「その周りの骨の神経が圧迫される」などを指します。腰椎は上半身を支える重要な部位のため、全体の約6割支えているともいわれます。

腰を支えるクッション:椎間板
背骨は5つの腰椎を含め、12個の胸椎、7個の頸椎とつながっています。これらの骨の間には、摩擦が起きないようにクッションのような組織があります。これを椎間板といいます。

椎間板は「線椎輪(せんついりん)」「髄核(ずいかく)」でできており、80%が生体の水で構成されています。椎間板は老化や大きな負荷がかかると、中の髄核が押し出され、外に出てしまいます。これによって、背骨周りの神経が圧迫されてしまい、痛みが生じるのを「椎間板ヘルニア(ヘルニアはラテン度で「はみ出る」)」という症状です。

腹直筋(ふくちょくきん)
腹筋と呼ばれる筋肉、体を前後、左右に曲げたり、回転したりするときに働く。また、呼吸にも関わる。

内腹斜筋(ないふくしゃきん)外腹斜筋(がいふくしゃきん)
お腹の外側を上下に走る筋肉であり、それぞれの違いは、つく位置です。皮膚に近い方を外腹斜筋、深い方を内腹斜筋といいます。肋骨(ろっこつ)を含む胸部の骨を引き下げたり、骨盤を引き上げたりするときに働きます。

広背筋(こうはいきん)、下後鋸筋(かこうきょきん)
肩から腰にかけて伸びており、上腕の骨と腰を結合している筋肉です。「背筋」ともよくいわれます。二つの筋肉の違いはつく位置であり、下後鋸筋は広背筋より深い層に薄く存在しています。下後鋸筋は、空気を吸い込んだ胸郭をすばやく収縮させるときに働きます。

胸腰筋膜(きょうようきんまく)
腰から背中にかけて存在する厚い膜のような筋肉で、仙骨の後ろに付着しています。背筋を後ろから包んでおり、腰周りのコルセットのような働きをしています。腰痛の潜在的痛みが生み出されている箇所として注目されています。

大殿筋(だいでんきん)
腰の骨(こつばん)をおおっている筋肉であり、股関節の中でとくに浅い位置にあります。股関節の曲げ伸ばしや回転するときに働きます。

脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)
背骨を支えている筋肉です。この筋肉が衰えると、重力に対して背骨を支えられなくなり、猫背などの姿勢不良に陥りやすくなります。

大腰筋(だいようきん)、腸腰筋(ちょうようきん)
大腰筋は背骨と太ももをつなぐ筋肉であり、これの他に腸骨筋と呼ばれる腰椎から股関節の前側を通って大腿骨(ふとももの骨)の付け根につながる筋肉があります。これらの筋肉を合わせて腸腰筋といいます。腸腰筋がピンと張りすぎた姿勢を取ると、腰椎が前方にずれてしまい、背骨回りの神経が圧迫されます。

腰方形筋(ようほうけいきん)
腰椎の両側にある筋肉です。スポーツの場合、テニスやゴルフのように体をひねる動きが多いスポーツでよく使われます。この筋肉は腰椎と骨盤をつないでいるため、骨盤を正常な位置に保つのに関係しています。

ハムストリングス
太ももの裏側についている筋肉です。膝を曲げるときに働く筋肉であり、骨盤の前後の傾きに関係する筋肉です。この筋肉が硬くなってしまうと、骨盤が前傾姿勢になりやすくなり、腰痛を患いやすくなります。

ちなみにこれらの筋肉ですが、腰痛持ちには「ハムストリングスが硬い、衰えている」「大殿筋が衰えている」ことが多いです。自分で筋肉を触ってみて、柔軟体操ができるか、筋肉がきちんとあるかを確認してみましょう。

以上の内容を理解することで、腰の仕組みに関する理解が深まります。こうした内容を理解し、腰の痛みを解消するために必要なことを明確にしましょう。

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