痛みの発生プロセスからわかる、不調改善に必要なこと

健康な体を維持し、心地良い生活を起こるためには、体の構造や仕組みを勉強することは大切です。近年、腰痛、肩こり、慢性疲労、便秘など、様々な症状を抱え、悩む人がいます。こうした症状を改善するためには、身体の仕組みを学ぶことが必要です。

ただ、多くの人は何かしらの症状が出現してから病院に向かいます。そして、病院では痛みや不調の原因を分析し、治すための薬や処方が施されます。つまり、痛みや不調が出現してから治す方法を知ることができます。世間で発信されている健康情報のほとんどが、痛みが起こってからの対処法であることがわかります。

ただ、身体の仕組みに基づけば、症状が起こる前に予防することができます。そこで、人には、「怪我を発生するプロセス」が存在します。この原理を学ぶことで、症状が発生する前段階で、痛みを予防することができます。

そこで、今回は人が痛みが発生するプロセスを理解し、不調を予防する方法について解説していきます。

体は微妙な変化を出している

例えば、あなたがどこか体の一部を痛めたとします。あるいは、そういう人を見たとします。こうした場合、多くの人は痛めた部位を観察し、体の痛みがあることを理解します。例えば、「肘・膝が痛い」「脚がズキズキする」といったものです。

ただ、これらの痛み以外に、体は痛みが発生するサインを送っています。それは、「動きの変化」です。普段の動きと比べて変化があった場合、体の不調につながる信号を発していると言えます。

例えば、「歩き方がぎこちない」「立ち上がり方が不自然」「腕の動きがおかしい」といったものです。

これらは普段の動きと比べての変化と言えます。そして、これらは痛みや不調を発生する信号に含まれます。

人の体は表に現れる症状には「痛み」が多いです。しかし、そのような症状が出現する前に、必ず何かしら体の不調が認められます。理学療法や治療の世界では、患者の痛みが発生する前に、患者の動きに変化がないかを観察します。すると、体の不調が起こるサインを出していることがわかります。

つまり、痛みが起こる前の段階で問題を対処すると、痛みなどの症状が出現する前に予防できるといえます。自身の体の変化に敏感になり、小さな症状に目を向けることで、痛みや不調を予防することができます。

痛みが起こるプロセスを理解する

日常生活やスポーツの世界で怪我や不調が現れるのは腕や脚(四肢)です。今回は、四肢の痛みが発生するプロセスを解説していきます。

人の体の中心には背骨があります。そして、背骨の筋肉が働くことで、末端部である腕や脚の筋肉が動きます。例えば、腕を上げる動作を行います。腕を上げると腕自体の筋肉より先に脇腹や背中周りの筋肉も動くことがわかります。このことから、背骨の筋肉と四肢の筋肉はつながっていることがわかります。

つまり、背骨の筋肉の柔軟性が低下し、硬くなってしまと、四肢の動きの可動性が制限されてしまいます。つまり、背骨の柔軟性の低下により、四肢をつなぐ関節の筋の緊張を誘うことになります。これによって、四肢関節の不調が発生します。つまり、以下のように痛みが発生します。

背骨の柔軟性低下 → 四肢の筋緊張亢進 → 四肢関節の不調

このように、四肢の痛みが出現する前には「背骨」が関係していることになります。つまり、背骨の柔軟性が低下したことを事前に確認できれば、四肢の痛みを防ぐことができます。

背骨の柔軟性を確かめる方法

そして、背骨の柔軟性を確かめる方法は簡単で、ストレッチを行うことです。その中で観察しやすいのが「前屈運動」です。前屈運動は背中の柔軟性によって行いやすさが変わります。毎日細目にチェックすることで、痛みが発生する前に予防することができます。

まず、立った姿勢での前屈動作における柔らかさをチェックします。そして、毎日、床から指が何センチ離れているかを確認するようにしましょう。朝と夜では柔軟性が変わってしまうため、できれば、決まった時間に行うことが理想です。

そして、四肢の不調が出現する前には、背中の筋肉が硬くなっています。そのため、前屈動作がしにくくなります。もし、前屈運動がしにくい日があれば、運動をやめたり、仕事を早く切り上げて休むようにしましょう。それに気づかず運動を続けると、他の部位を痛めてしまう可能性があります。

さらに、背骨の柔軟性を高めるための体操を行うようにしましょう。具体的には、胴体を反らせる・屈ませる、左右に傾ける、捻る運動を行うことです。これらの動作を行うことで、背骨の柔軟性の向上が高まります。

このように、毎朝、筋肉の状態をチェックすることで、より早く体の変化に気づくことができます。

内蔵機能の低下も痛み発生プロセスを理解できる

さらに、日常生活のなんとなくネガティブな変化がありますに。例えば、「化粧の感じが違う」「いつもより落ち込んでいる」といったようなものです。これらは動きと関係がないことですが、痛みや不調を発生する信号に含まれます。

あなたが仕事中に気分が落ち込み、食がのどを通らないときがあったとします。すると、体にも何かしら不調が現れて、肩がだるくなったとします。多くの人は、「肩がだるい」を痛みや不調のサインと捉えるかもしれません。

しかし、正確に分析すると、「肩がだるい」より先に「気分が落ち込む」「食欲がわかない」といったサインが出ていると言えます。

なぜなら、人の感情の揺れや崩れは背骨の柔軟性とつながっているからです。これは、背骨周りについている「自律神経」と呼ばれるものが関係しています。

自律神経系とは、身体の内部環境の調整に働く神経系です。具体的には心臓や内臓器官の働きをコントロールしています。人が物を食べて適切に消化活動を行ったり、心臓が一定のリズムで働いたりできるのもこの神経のおかげです。

もしこの自律神経系が全く機能しなくなると、心臓は停止し、胃や腸は動かなくなります。つまり、自律神経は生命を維持するために必要な神経と言えます。

自律神経が乱れると背骨の柔軟性が低下する

自律神経系はさらに、「交感神経系」と「副交感神経系」の2つに分類されます。交感神経系は、興奮しているときに活性化される神経系であり、逆に副交感神経系は、リラックスしているときに活発に働く神経系です。この二つの神経の働きがバランス良くとれていると、感情の起伏がなく、落ち着いた状態で過ごすことができます。

そして、自律神経は、睡眠や内臓に問題が生じることで起こります。例えば、胃に何かしら問題であれば口臭に変化が現れます。腸であれば便秘になったり便の形状が変化したりします。このほかに、感情としては、「気分がすぐれない」「落ち着かないといったもの」があります。睡眠であれば、眠気が生じてしまいます。

そして、自律神経の乱れは背骨の硬さとなって現れます。つまり、先ほど述べた痛みの発生プロセスに次のような要素が加わります

自律神経の不調(眠気、内臓の変化)→ 背骨の柔軟性低下→四肢の筋肉の緊張→四肢の関節痛

このことから、痛みや不調発生の初期の段階は眠気や内臓の変化と言えます。この段階で体の変化に気づき対処することで、背骨や筋肉の硬さなども現れる前に、痛みや不調を予防することができます。

自律神経の乱れは、日々のストレスで積み重なる

そして、この段階での不調は生活習慣の乱れになります。自律神経の不調は、睡眠不足や食事の不摂生といったものから生じるからです。

では、睡眠不足や食事の不摂生はどこから生じるでしょうか?具体的には、日々の仕事や人間関係におけるストレスです。日々のストレスが少しずつ積み重なると、自律神経の交感神経が過剰に働きすぎてしまいます。

自律神経が過剰に働くと、血液中の糖質量が向上し、心拍数(血圧)が上がります。すると、血液内で大量の活性酸素が発生します。これによって、皮膚の細胞に悪影響を与えると「化粧ののり」が悪くなります。

さらに、交感神経の働きが高まると、身体の呼吸が浅くなり、心拍数が向上します。すると、感情の起伏が大きくなってしまい、「不安感」が発生します。

つまり、自律神経のバランスが崩れると、背骨の柔軟性の低下より先に起こる「感情の起伏」が起こります。これによって、さらに、この痛みの発生プロセスは四肢にとどまりません。体のあらゆる痛みがこのプロセスを経ていることがわかっています。

ストレッチや体操より先に、心を整える

これらの事実から、体の不調を整えるには、自律神経の働きが現れる感情や心を整えることは、怪我の予防につながります。さらに付け足すと、ストレッチや体操にくわえ心を整えることが大切であることがわかります。

自律神経の不調による心の変化は痛みや不調発生の初期の段階に該当します。その内容は眠気や内臓の不調といったものです。このときの体の変化に気づき対処することで、背骨や筋肉の硬さなども現れる前に、痛みや不調を予防することができます。さらに早期の段階であるため、症状は軽く、すぐに治すことができます。

つまり、「身体をリラックスさせる」「ポジティブな気持ちを持つ」「何事もプラスにとらえる」と考えることも、身体の不調や痛みを改善する一つの方法として挙げられます。なぜなら、これらの行為は痛み発生プロセスにおける「自律神経の働きの改善にあたるからです。

あるいは、「栄養摂取」も身体の不調予防に大切といえます。この理由として、栄養摂取は自律神経の働きの改善につながるからです。つまり、背骨の柔軟性を高めること、気持ちに余裕を持つ行為を行うこと、栄養摂取を変えること、こうした内容を実践することで、どのような不調も改善することにつながります。

今回述べたように、体の痛みや不調の原因は発生のプロセスを見ると理解できます。そして、その原因の大元は自律神経の不調となります。

痛みや不調を根本的に解決するために、背骨の柔軟性を高めること、栄養摂取を変えること、気分を変えることが挙げられます。こうした行為を行い、実践することで、体の不調を改善することにつながります。

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